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台風さんでゆっくりしたいよ 23KB そろそろ定着したかと思われますが、『町れいむ一家の四季』 秋編に突入です。まさかこんなに長く続くとは・・・。 エロ書け、おまけ書けと色々あるとは思いますが、 そろそろ本筋を書いてしまわないと、完結するのか不安です。あくまでおまけはおまけなんで。 「台風ゆえに人は悲しまねばならぬ。台風ゆえに人は苦しまねばならぬ。ならば、台風などいらぬ!!!」 いえ、必要です。ということで台風編。 このテーマもリクエスト対応なんですが、台風の中でゆっくりが動き回るとか無理でしょ。一体どうしろと。 『台風さんでゆっくりしたいよ』 D.O 季節は秋。 といっても、まだまだ夏の暑さは尾を引いているので、秋らしさは見られない。 ムシムシとした湿気と、曇った空は、ゆっくりならずとも不快な天気であろう。 町のゆっくり達はおちつきなく、とてもゆっくりしていない。 ある者は路地裏にゴミ袋を運び込み、ある者は小石や板きれを植栽の中に押し込んでいる。 広場の公衆便所裏に住むれいむ一家も、今日はせっせとおうちの補強に精を出していた。 元々おうちと使っている木箱は、随分前からここに放置されている空箱の一つだが、 いかに状態がいいとはいえ、雨が降ったら中までびしょ濡れ。 今日は、劣化した買い物袋を屋根からはずし、公園で拾ってきたブルーシートをかぶせる作業にいそしんでいた。 「ゆーし。あおいぬのさんはきれいにかぶせたよ!つぎはいしさんをのせるよ!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 元気な返事は長女れいむ。 「とっちぇもときゃいはなおうちになっちゃわ!」 キレイに整備されたおうちに感動の声をあげるのは次女ありす。 「でみょ、どうしていししゃんをいつもよりたくしゃんのせちゃの? おうちしゃんつぶれにゃい?」 疑問を母れいむにぶつけるのは、一番賢い末っ子れいむ。 「ゆぅ。それはね。もうすぐとってもこわいかぜさんがくるからなんだよ。」 「ゆゆっ!?かぜしゃん?ゆっくちしちぇないにょ?」 「そうだよ。ゆっくりしてないあめさんとかぜさんがくるんだよ。 いしさんがないと、おうちもとんでいっちゃうんだよ。」 「ゆーん。かぜしゃんはいなかものなのにぇ。」 「でも、どうしてもうすぐくるっちぇわかるにょ?」 「ゆゆーん。きょうは、おちびちゃんたちは、すーりすーりがゆっくりできないよね?」 「ゆぅ。おはだしゃんべたべたしちぇ、しゅーりしゅーりできにゃいよぉ。」 「すーりすーりがゆっくりしてないと、ゆっくりしてないあめさんとかぜさんがくるんだよ。」 「ゆゆーん!しゅぎょーい。おきゃーしゃんはなんでもしっちぇちぇ、とってもときゃいはにぇ!」 ちなみにゆっくりのお肌がベタベタになるのは、主に水浴びをしすぎた後か湿気が強い時である。 ゆっくりの肌が限界以上に水分を吸収している証拠で、 この状態で水滴などを浴びると、簡単にお肌がとけて穴があく。 水に脆い上、乾いている時の撥水性もなくなるわけだ。 水浴び後ならば日光浴でしっかり乾かすのでゆっくりできるのだが、 大雨の前の湿気は、太陽さんが出ていないのでいかんともしがたく、要は大変危険な状態だったりする。 「ゆゆーん。とってもとかいはなおうちになったわね!」 「とっちぇもゆっくちできるのじぇ!おうちしゃん、ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「ゆーん、げんきなごあいさつだわ!さすがありすのおちびちゃんねぇ!ぺーろぺーろ」 「わかるよー!あめさんがきてもへいきなんだねー。」 最近れいむ一家にはお隣さんが2家族できた。 まあ、元々いくつも木箱が捨ててあったので、これまで町のゆっくりが集まらなかった方が不思議だが。 右隣は溺愛ありすと赤まりさ。 最近『みぼうじん』になったため、一粒種への溺愛っぷりは拍車がかかっている。 左隣は下膨れについた獣の爪痕が生々しい、戦士ちぇん。 本人いわく、かつて4匹の巨大な猫を相手に死闘を繰り広げたとのこと。 眉つば物であるが、知識も体力も結構あるので、割とゆっくりの間では信じてもらえている。 3つの木箱が便所裏の壁に並び、上にブルーシートがかけられていると、 ゆっくりとしては割といい感じのマンションといった風情であろう。 これだけのおうちならば、この晩にやってくる台風であろうと耐え抜くに違いない。 中のゆっくり達はともかく。 夕焼けは不気味に赤く染まり、町は不吉な空気に包まれ始めた・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ゴロゴロゴロ・・・・パァァァアアアアアンン!!! 「ゆぴぃぃいいいいい!!きゃみなりしゃんきょわいのじぇぇぇえええ!!」 「だっ、だだだ、だいじょうぶよ、おちびちゃ『パァアアン』ゆひぃぃいい!」 「ゆーん。おきゃあしゃん、かぜじゃんゆっくちしちぇにゃいよぉ。おうちはこわれにゃい?」 「ゆん!だいじょうぶだよ、おちびち『ビュオオオオオ!バタバタバタッ』ゆぁぁあああ!あおいぬのさんもゆっくりしてね!」 「ゆぅぅぅ。いなかもにょなかぜしゃんにぇ・・・。」 「だいじょうぶだよー。いざとなったらちぇんがたすけるんだよー。」 「ちぇんおにぇーしゃんは、ゆっくちかっきょいーにぇ!」 パラッ・・・パラパラパラ、ザァァァァァァァァァァ・・・ 「ゆあーん。あめしゃんふっちぇきちゃよー。」 「だいじょうぶだよ。おちびちゃん。おうちはちゃんとつくったから、あめさんはいってこないよ。」 「ゆーん!やっちゃあ!おきゃーしゃんすぎょーい!」 とはいえ、やはり成体の3匹も不安なのであろう。 3つ並ぶ木箱の真ん中、れいむ一家のおうちのスペースに、3家族全員集まって身を寄せ合っている。 今夜は一睡もできなそうだ。 と、そのとき突然扉代わりに入口に垂れたブルーシートが勢いよく跳ねあげられ、一匹のまりさが駆け込んできた。 「ゆっひぃぃいいいいい!きゅうにあめさんがふって、しんじゃうかとおもったんだぜ!」 「ゆっ、ゆう?だいじょうぶ? きょうはあめさんもかぜさんもゆっくりしてないのに、おそとにいるなんて、どうしたの?」 「ゆーん。まりさはきょうもりさんからきたのぜ。まだおうちがないのぜ!とめてほしいのぜ!」 「「「ゆぅ・・・。」」」 まさか追い出すわけにもいかないが、れいむ達、成体3匹は露骨に嫌な顔をする。 町のゆっくりたちは、森に住むゆっくりには憧れているが、森から来たゆっくりにはいい印象がないのだ。 「な、なんなのぜ!まりさはげすのむれからおいだされて、おうちもないかわいそうなゆっくりなのぜ! あめさんがやむまでくらいいてもいいのぜ!」 「「「ゆぅ・・・。」」」 「ゆふーん。なかなかいいおうちなのぜ。ゆっ!こんなところにごはんさんがおちてるのぜ!むーしゃむーしゃ!」 「ゆあーん。まりしゃのゆっくちしちゃごはんしゃんがー。」 「なにするのぉぉおおお!ありすのかわいいおちびちゃんのごはんさんよ!このいなかものぉおお!」 「ゆへん!まりさはもりからきたばっかりなんだぜ!おなかがすいててかわいそうなんだぜ!ゆーん。こっちにもあるのぜ!」 「やめるんだよー。それはちぇんとれいむたちのあつめたごはんさんだよー。」 「またあつめればいいのぜ!けちけちすんなだぜ!むーしゃむーしゃ、しあわせー。」 れいむ達がつらい夜を乗り切るために集めた生ゴ・・・ゆっくりしたご飯さんがあっという間に無くなった。 「やめるんだよー。これいじょうはゆるさないよー。」 「ゆっへん!まりさはおなかいっぱいになったからすっきりーしたくなったんだぜ!れいむとすっきりーしてあげるのぜ!」 「ゆぇっ!?いいかげんにしてね!まりさみたいなゆっくりしてないゆっくりはいやだよ!」 「ゆえーん。まりしゃゆっくちしちぇにゃいにょー?」 「おちびちゃんのことじゃないのよぉぉおお!あっちのいなかもののまりさよ!」 「はやくまむまむをむけるんだぜ!すっきりーしたられいむたちはでていくのぜ! このおうちもかわいそうなまりさがつかってあげるのぜ!」 ひょっとすると、このまりさはゲスなのかもしれない。 さすがのれいむ達もここまで来ると我慢の限界であった。 「もうがまんしないよー。」 「いなかものはでていってね。」 「げすまりさはゆるさないよ!」 「かわいそうなまりさのことをげすなんてひどいのぜ!れいむたちこそげすなのぜ!まりさがせいさいしてやるのぜ!」 「3にんあいてにひとりでかてるとおもうのー?ばかなのー?」 「ゆふん!まりさはもりいちばんのゆっくりしたゆっくりなのぜ!まけるわけないのぜ!」 「ちぇんー。あのまりさ、そんなにつよいのかしら。」 「だいじょうぶだよー。けんかなら、ちぇんにおまかせだよー。」 「おうちのなかじゃせまいのぜ!おもてにでるのぜ!」 「「「・・・ゆぅ?」」」 ブルーシートの玄関から、お外に出ようとするまりさ。 「ゆふーん!おじけづいたのぜ?さっさとついて『ビュォオオオオオオオオ!!!』ゆあーん、まりさのおぼうしがー。」 当然お外の暴風と豪雨はまりさのお帽子に襲いかかり、一瞬で広場の彼方へと吹き飛ばしていった。 「おぼうしさんまってー。」 まりさは、豪雨の中を舞うお帽子を追いかけて行き、そして二度と戻っては来なかった。 「・・・わからないよー。」 「・・・あんないなかもの、はじめてよ。おちびちゃんはあんなのになっちゃだめよ。」 「ゆっくちわかっちゃのじぇ!まりしゃはときゃいはになるのじぇ!」 「むほぉぉおおおおお!おちびちゃんいいこねぇぇぇえええ!すっき「やめるんだよー。」ふぅ・・・。」 「ゆぅ。そんなことより、ごはんさんなくなっちゃったね。」 「「「「ゆあーん。ゆっくちしちゃごはんしゃんがー。」」」」 まあ相手は台風なので、今晩我慢すればご飯さん探しはまたできる。 「でも、ごはんさんだけですんでよかったよ。」 「だれもけがしなくてよかったよー。おちびちゃんたちもちょっとがまんしてねー。」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 同時刻の町・コンビニ前。 台風の中でも普段と変わらず明るい店の明かりは、人間ならずとも安心させられる。 コンビニ前に設置された自販機の取り出し口からは、そんな明かりに引き寄せられた、ゆっくりれいむ親子の声が聞こえる。 「ゆーん。このはこさんは、あめさんがはいってこないからゆっくりできるよ!」 「「ゆっくちー。」」 「まえのおうちはこわれちゃったから、ここはれいむたちのあたらしいおうちだよ!ゆっくりしていってね!」 「「ここはれいみゅたちのおうちだよ!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」 「ふあー。何とか雨が降る前に帰りたかったのにー。びしょびしょだわ。寒ぅ・・・。」 「ゆゆっ?」 「あ。もう自販機に、ぱちゅりー印のコーンスープ、入ってんのね。ちょっとはあったまるかしら。」 ちゃりん。ぴっ! ゴトンッ!ぐしゃっ! 「ゆぴぃぃいいいいぃぃぃぃ!ゆびぇ・・・。」 「おちびちゃぁぁぁぁああああん!」 「もっじょゆっぐじ・・・・。」 「おにぇえじゃぁぁあああん!ゆっぐぢしちぇぇぇぇえええ!」 「スープスー・・・うわっ!なんで餡子付いてんの!?」 「ゆああああああ!よくもおちびちゃんをぉぉおおお!ゆゆっ!どうしてでられないのぉぉおお!?」 「ゆっくりが入ってんの?内開きなんだから、入ったら出られるわけないじゃん。まったく、きちゃないなー。」 「おちびちゃんはきちゃなくないでしょぉぉおおおお!!」 「あ、店員さーん。これ交換してよ。まったく、今時ゆっくり防止もついてない自販機置いとかないでよねぇ。」 「どうも申し訳ございません。至急業者に清掃させますので。」 「そんな問題じゃないでしょ。口つけるのよ、こっちは・・・。」 「あー!濡れちまったよぉ!コーヒーコーヒー!『ピッ、ゴトンッ、ぐしゃり』うわっ!餡子付いてんじゃねーか!おい、店員!」 「おちびちゃんがぁぁぁあああああ!」 「申し訳ございませーん!」 「だから言ってんじゃん。あの自販機やばいって。」 ちなみに自販機の最近の主流は、腰の高さに取り出し口を設けるタイプか、取っ手を手元に引いて開けるタイプである。 ゆっくりは、基本的に押して開けることしかできないため、効果は高い。 一方隣の自販機の下。 別のれいむ一家が先ほどの光景を眺めていた。 「ゆーん。はこさんのなかにはいったりするから、ああなっちゃうんだよ。」 「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」 「ゆふーん。おちびちゃんたちはとってもゆっくりしてるよー。」 ちなみに、普段はあり得ない豪雨の中、水たまりは自販機の下まで届いてきており、もうそろそろこのれいむ一家を囲い込む。 明日には店員が、自販機周辺の掃除に頭を抱えそうだ。 どちらにしても、このコンビニ周辺のゆっくり達の未来は暗そうである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 場面は再び公衆便所裏に戻る。 森まりさから解放されて、おうちの中は静寂を取り戻したかに見えたが・・・ びゅぉぉおおおお! ガガッ!ガァァァァッン! 「ゆぁぁ!?」 「ゆゆっ!?おきゃーしゃん!あめしゃんがおうちにはいっちぇきちぇるよ!」 「わかるよー!なにかがとんできて、おうちにあたったんだよー!」 「あおいぬのさんがはずれちゃったのね!このままだとおうちがとかいてきじゃなくなっちゃうわ!」 「なおすしかないんだねー。わかるよー。」 運悪く、風で飛んできたゴミが、おうちを直撃してしまったらしい。 無論その程度で木箱は破損しないが、おうち3棟に屋根としてかぶせてあったブルーシートが派手にずれ落ちてしまった。 雨もりはゆっくりできない。 「れいむとちぇんがぬのさんをはこんでもちあげるから、ありすはおうちのうえにのせてね!」 「おきゃーしゃん、がんばりゅんだじぇ!!」 「むほぉぉ(以下略)」 豪雨の中を飛び出す3匹。その体を雨は容赦なく蝕んでいく。 だが、なんとかれいむとちぇんはブルーシートを引きずって運び、おうちの上のありすに渡すことができた。 「ゆっくりしないでいそいでね!」 「まかせなさい!ありすがとかいはなやねさんをこーでぃねーとするわ!」 だが、ありすがシートを持ち上げようとしたその時・・・ ビュォォォオオオオオオオオオオ!!! ひと際強烈な風がシートと、その上にたっぷり溜まっていた雨水を持ち上げ、端っこを噛んでいたありすを包み込んだ。 びちゃり・・・ 「ゆひぃぃぃいいいいい!!!ぬのさんどいてぇぇぇぇえええ!」 「ありすー!わからないよぉぉおおお!」 「ありす、ゆっくりしてぇぇえええ!」 風がわずかにおさまり、シートがずるりとおうちにかぶさると同時に、ありすは力無くべちゃりと下に転がり落ちた。 「ゆあーん。おきゃあしゃんのおかおがぁぁ。」 「ありすのおかおがとけちゃったよー。わからないよー。」 「ありすのおかお、どうしちゃったの。いだいっ、いだいぃぃぃ・・・」 身じろぎすると、ありすの左目がぼろりと落ちる。 「ありすっ、おちついてね!」 「うあぁぁあ・・・。まりさがゆっくりしてるねっていってくれたおめめがぁ・・・ほっぺがぁ・・・。 ありすもうゆっくりできないよぉ。みないでぇ、みないでよぉ・・・。」 「しょんにゃことにゃいのじぇ!」 「おちびちゃん。」 「おきゃーしゃんはやさしくちぇとっちぇもゆっくちしちぇるのじぇ! きっとおかおもぺーろぺーろしゅればにゃおるのじぇ!」 「おちびちゃん・・・ゆぅ・・・すっきり・・・。」 「おちびちゃんのいうとおりだよー!ありすはゆっくりできるよー! おうちにはいってぺーろぺーろしようねー!」 そのとき、再び強い風が吹いた。舞い上がる小さな黒いお帽子。 「ゆあーん、まりしゃのおぼうしがー。」 「ゆゆっ!おちびちゃんまって・・・」 「おぼうししゃん、まっちぇー。『びゅぉぉおおおお』ゆーん、おしょらとんでるみちゃいー。」 ころころころ、ぽちゃん。 まりさの姿は広場を囲むように作られた雨水溝に消え、二度と浮かんでくることはなかった。 「お・・おちびちゃ・・・」 雨水溝に向かって這っていくありす。その体はグズグズと崩れていき、飾りも落ちる。 しかし、それすら気にも留めず、ありすは赤まりさへと向かっていった。 「おち・・・ゆびぇ。」 ありすが修理してくれた屋根のおかげで、おうちは多少雨が振り込みつつも、ゆっくり出来るようになった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 同時刻の駅前商店街。 無論、深夜の現在、営業中の店など無く、アーケードに人影は見当たらない。人影以外は見当たるが。 アーケードには屋根があるため、通路全体が雨風から守られている。 そのため、おうちが雨で壊れたり、風で吹き飛ばされたりした近所のゆっくり達が、 避難所代わりに歩道に集まって身を寄せ合っている。 商店街の歩道いっぱいにゆっくりが敷き詰められた様は、まるで黒に赤や金で刺繍されたじゅうたんのようで、 夜に何も知らない通行者が見たら、地面がもぞもぞとうねっているかのようですらあり、はっきり言って怖い。 「おきゃーしゃん、あまあまたべちゃいよぉ。」 「がまんしてね。おちびちゃん。」 「すっきりー。」 「みゃみゃー。うんうんしゅるよ。」 「すっきりー。」 「すっきりー。」 「しょうがないからここでしてね。」 「しゅっきりー。」 「すっきりー。」 台風ではなくとも雨は恐怖の対象である。 とはいえ、たくさん集まればやはり心強い。 それに、ここにたどり着くまでにびしょ濡れにはなってしまっていても、 互いにぺーろぺーろして、みんなで身を寄せ合ってあたためあえば、ゆっくりできる。 実際、ここに集まってすーやすーやと寝息を立てているゆっくりたちは、とても安心してゆっくりしていた。 だが、台風のたびに行われるゆっくりの一斉避難は、当然人間さんもよく知るところである。 加えて言えば、通路にみっちり詰まって、ろくに身動きの取れないゆっくりたちが、 商店街の通路中にうんうんやしーしーをまき散らしていくことも、人間さんのよく知るところであった。 よって、台風の日には臨時でゆっくり清掃班が組織される。 「よーし、寝静まったな。儚井、ちゃっちゃと済ませるぞ。」 「はい。」 ニコニコゆっくりマークと『ゆっくり清掃』の文字が書かれた、青いタンクローリー。 春以外は基本的に使用されていないそれは、稀に別の季節にも活躍の場を与えられることがある。 たとえば台風の日の夜など・・・ 青い作業服を着た市の職員が、タンクからのびる吸引ホースを持ち、最初の一匹に吸引口を向けながら独りごちる。 「目を覚まさないでくれよ。それがお互い一番幸せなんだから。」 みゃみゃ・・・ゆっくちあったきゃいにぇ。 でも、おなきゃしゅいたから、あしたはいっぱいむーちゃむーち しゅぽん。 「班長、清掃完了しました。」 「よーし。かえってコーヒー飲もうや。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− れいむたちは、目の前で友ゆっくりを失い、さすがに落ち込んでいた。 普段は陽気なちぇんも少々大人しくなっている。 「さびしくなったよー。」 「ありしゅおにぇーしゃん・・・。」 「ゆぅ。みんなしっかりしてね。れいむたちはありすたちのぶんまでゆっくりしないとだめだよ。」 「しょーね。いつまでもおちこんでりゅのはときゃいはじゃないわ。」 ごそっ・・・ そのとき、玄関から物音がした。 「ゆゆっ!?ありす?」 玄関から入ってきたのは、無論ありすではなく、一匹の、ずぶ濡れの老猫であった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ねこさんだぁぁぁああああ!!!」 「おきゃあしゃんきょわいぃぃいいいい!!!」 のっそりのっそりと、めんどくさそうに入ってくる老猫。 れいむ達の反応も無理はない。 猫達はゆっくりを好きこのんで食べるわけではないが、 気分しだいでじゃれついたり、おもちゃにすることは多い。 しかも被害にあうのは、虫に近いサイズの子ゆっくり以下。 ゆっくり側の心証は最悪である。 ぶるぶるぶるっ・・・ぶるぶるぶるぶるっ! おうちの中で遠慮なく毛についた水滴をはらう老猫。 「ゆぴぃぃぃいいいい!・・・・ゆっぐぢしじゃい・・・」 老猫が体を振って水気を飛ばすと、おちびちゃん達はびしょぬれになり虫の息となった。 「おちびちゃぁぁああああん!ぺーろぺーろするからゆっくりしてぇぇ!」 「ゆ・・・ゆっぐぢ・・・」 「そ、そうだよ。ちぇん!たすけてね!」 なにせちぇんは、猫4匹相手に戦って撃退したことがあるのだ。一匹くらいどうにか・・・ 「わ゛・・・わぎゃ・・・」 ちょろちょろちょろ・・・ぶりぶりっ・・・ ちぇんは、れいむ達に輪をかけてひどい怯え様であった。 顔面蒼白、口から泡を吐き、白目をむきながらうんうんとしーしーを垂れ流す姿は、常のちぇんではあり得ない。 まあ、ちぇんの下膨れに残る傷跡が、猫との死闘によるものなどではなく、 赤ゆの頃に8匹いた姉妹が次々と子猫にじゃれ殺されたあげく、 飽きられて放置され、生き延びた際の古傷だということを知っている者であれば納得の姿ではあったが。 そんなちぇんを、毛づくろいしながらチラリと見る老猫。 ちぇんはこの老猫が、またあの時のように散々ちぇん達をじゃれ遊び、いたぶり殺すつもりなのではないかと想像した。 老猫の方は、これまたゆっくりと似たり寄ったりで、 ダンボールのおうちが飛ばされてしまい、緊急避難として目についた木箱に入ってきただけである。 目の前のゆっくり達は先客程度にしか思っていない。 「クフゥ・・・・クファ・・・・ム。」 おうちの隅っこに体を寄せてガタガタと震えるちぇんをしばらく眺めていた老猫は、 のそのそとちぇんに近づき、クンクンと匂いを嗅ぎ、興味なさげに大きく欠伸をした。 「わ、わぎゃらないよぉぉぉおおおおおおお!!!」 「ちぇん!まっでぇぇええええ!!!」 その瞬間、恐慌に陥ったちぇんは、ますます強まる暴風雨の中を飛び出していき、そして二度と戻ってこなかった。 「ちぇん・・・、ごわいよぉぉ。」 「「「おきゃあしゃぁん。きょわいよぉ・・・。」」」 「だれが、だずげでぇ・・・。」 老猫は、おうちの真ん中でのっそりと丸まって寝息を立て始めたが、 れいむ達はおうちの隅っこから動くこともできず、涙を流し、ガタガタと震えながら一夜を過ごしたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 玄関から差し込む朝日によって目を覚まさせられたれいむは、 おうちの中に老猫も、3匹のおちびちゃんも誰もいないことに気がついた。 「ゆ、ゆゆっ!おちびちゃん!どこなのおちびちゃん・・・!」 大慌てでお外に飛び出すと、そこには3匹のおちびちゃんが、 ゆっくりとした表情で朝日を浴びている姿があった。 「おきゃーしゃん!おきちゃにょ!?」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「あめしゃんもやんで、とっちぇもときゃいはなあさよ!」 「ゆ・・・ゆぅ、ゆっくぢぢでいっでねぇ。」 「どうちちゃにょ?おきゃーしゃん。」 「ゆぅん。ねこさんもおちびちゃんもおうちにいなかったから・・・」 「ゆーん。れいみゅがおきたときにはもういにゃかったよ。よかっちゃにぇ!」 「ゆぁーん!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってねぇ!」 「「「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」」」 「それじゃ、ゆっくりしたら、あさごはんさんをさがしにいこうね!」 「あのまりしゃがいなきゃものだったから、もうおなきゃぺーこぺーこだわ!」 「ゆーん!れいみゅもうしゅこし、たいようさんでぽーかぽーかしゅるよ!」 「ゆーん、すこしだけだよ。」 お腹がすいたと駄々をこねる次女ありすと末っ子れいむ。 日向ぼっこを楽しむ長女れいむ。 れいむは、様々な不幸を味わいながらも、なんとか台風を一家無傷で乗り切れたことでしあわせーだった。 ちなみに、台風の過ぎ去った早朝に目を覚ました老猫もまた、日向ぼっこを済ませて朝食を探しに出かけようとしていた。 日当たりの良い、れいむ一家のおうちの上から。 めちゃっ。 めんどくさそうにれいむ一家のおうちの屋根から下りた老猫は、気持ち悪いものを踏んだといわんばかりに前足を振りながら、 のそのそと歩いて行った。 後には、つぶれた長女れいむと、その姿を見て、笑顔のまま固まったれいむ親子が残された・・・。 このシリーズ、全体的に内容が(特にゆっくり殺害描写が)あっさり風味で、 サクサクと死んでいく感じなのは、意識してのものです。 町なんて加工所と大して変わんないんだよ、って感じが出したくて。 物足りなかったら申し訳ないです。 そもそも文章力自体が無いのは実力なので、そっちはご容赦ください。 それから、多くの絵師さんにD.Oをどろわで描いていただきまして、感謝感激です。 元はと言えば誰かの悪ノリで出されたムチャ設定から、 よくもまああんなエロい女性キャラを描いていただけたもんです。 これで、夜中にSSを書いている時の孤独感で涙を流さずに済みそうです。 ほんとうにありがとうございます。 おまけ 同日の深夜 ここは、虹浦町の隣、餡娘町の学校に校長として勤務する、倉塚邸。 「ふーむ。相当荒れとるな。」 校長宅は代々受け継がれた古風な和風邸宅だ。庭も広く、多くの木が植えられている。 暴風と豪雨にさらされる庭を眺めていた校長は、そのうち一本に視線を向ける。 「そろそろ、かな。」 塀づたいに雨風を避けつつその木までたどり着くと、 そこには一人のゆっくりが一糸まとわぬ姿で、犬用の首輪で木に固定され、立たされていた。 「・・・はぁ・・・んぅぅ・・・さむくて・・・こわいよぉ・・・」 「でも、気持ちいいんだろう?てんこ。」 「・・・だくさんぬれちゃった・・・とけちゃう・・・」 「ふむ。すこし肌が溶けてヌルヌルしとるな。」 「・・・あめさんじゃいや・・・せんせぇ・・・」 「んむ?」 「・・・せんせぇが・・・てんこをとかして・・・」 てんこは木の陰でわずかに雨にさらされながら、 その絹のように滑らかな臀部を突き上げるようにして、校長を誘う。 その肌は上気しはじめ、ぬらぬらと輝く肌とわずかに漂う白い湯気は、たとえようもなく艶めかしい。 「・・・せんせぇ・・・」 「何だ。」 「・・・てんこのこと・・・いやじゃない・・・?」 「どうして?」 「・・・えっちで・・・へんなことばかりするてんこ・・・わるいこだもん・・・」 「・・・私はそんなてんこが好きだから、妻に迎えたんだよ・・・。」 「ぁぁ・・・うれしぃ・・・」 校長とてんこはこの日、風雨の吹き荒れる中で一晩中互いを暖めあった・・・ 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 秋-1. 本作品 挿絵 by嘆きあき D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓下に追加で、だったら"ふたば系ゆっくりいじめ"なんて見るな。 -- 2016-02-16 20 36 13 ↓×5 本当に同感 ゴミ袋を破いて街の景観を汚すだけの糞袋を可哀想なんて言うな! -- 2016-02-16 20 34 01 ※3 台風よりも地震があるからな -- 2013-12-10 01 10 05 ゲスまりさザマァァァァアアアアアアアアwwwww -- 2011-12-27 03 44 05 全滅するのは困るなぁ~~俺の楽しみがなくなってしまうじゃないか -- 2011-11-17 00 57 48 しかたないよ アンチなんだから -- 2011-08-30 13 37 47 ↓×3 俺ゆっくりのことを「かわいそう」なんて思うやつの気が知れないわ。どこが「かわいそう」なんだよ。ゆっくりなんて台風で全滅してしまえばいい。 -- 2011-01-21 00 03 38 なんで校長の感想のが多いんだよw -- 2011-01-20 03 44 39 台風に耐える町ゆの話のはずが、最後に校長が全部持っていっちゃったじゃねーかw -- 2010-09-19 04 04 51 野良ゆかわいそう -- 2010-07-15 07 26 42 このサクサクっぷりは読んでいて気持ちが良かったです。 -- 2010-06-07 14 45 37 校長先生が特殊な趣味の持ち主だと言うことがよくわかりました -- 2009-10-30 01 57 43
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「ふたば系ゆっくりいじめ 956 ぱちゅりんピック/コメントログ」 ゆんやー! -- 2014-06-13 12 31 40 流石に教育委員会や愛で派も見るオリンピックでゆ虐はちょっと… -- 2023-04-22 10 26 19
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てんこを良い子にする方法 9KB 虐待-普通 愛で パロディ 小ネタ 悲劇 理不尽 変態 自業自得 飼いゆ 希少種 ペットショップ 現代 独自設定 虐待というより躾けた話です ・タグで変態が付けられないので注意書きとして書いておきます。このSSには変態タグがつきます ・このSSには胴付きのゆっくりがでてきます ・基本的にやや愛でよりなので嫌いな方は見ない方がいいかも ・これを書いたのはHENTAIあきです!HENTAIが苦手な方は見るときついかもしれません ・作者に都合のいい独自設定があります ・それでもいいというひとはゆっくりよんでいってね!!! 部屋の中でソファーに座りゆっくりと読書をしている一人の青年がいた。 疲れた体をリフレッシュさせる休日の青年が楽しみにする一時だ。その体が急に小刻みに揺れだす。 青年はやれやれという風に読書を中断するとソファーの後ろに感じる気配に声をかける。 「てんこ、お願いだから読書をさせてくれよ。ちゃんと後で遊んであげるから。」 「違うわよお兄さん!これは地震さんが起きてお部屋が揺れてるの!」 返事を返したのは胴付きのゆっくりてんこである。その顔には少し汗が浮かんでいた。 「この地震さんはきっと異変よ!お兄さんてんこと一緒に異変を解決しましょ!」 そう言っててんこはお兄さんの手を握りソファーから立ち上がらせようとする。 基本的にゆっくりてんこはさびしがり屋の性格だ。そのためゆっくりてゐのように異変と称していたずらをして、 飼い主の気を引き遊んでもらおうとする。こういった特徴のためてんこの飼い主の青年もこの行為に少し頭を痛めている。 「てんこ、前も言ったよね?遊んでほしいならちゃんと言えば遊んであげるって。こんなことはしないでくれって。」 「だからてんこは何もしてないわ!きっと地面さんに大きな魚さんがいて地面を揺らしてるのよ!」 決して自分がやったと認めないてんこ。てんこ種はさびしがり屋だがそのくせプライドが非常に高い。 そのため自分から中々誘うということが出来ずにこのようなことをするのだ。 以前もお水さんが溢れているといって、風呂場の水を出しっぱなしにするということもしている。 さりとてあまり強く叱ると立ち直れずにいじけてしまうために、扱いが難しい。 青年も困り果ててんこを買ったゆっくりショップにアドバイスをもらいにいくのだった。 「う~ん、難しいですね。あのてんこ前もそれで返品されちゃいましたからね。」 ゆっくりショップの店員はそう言って困り顔だ。実際青年もそのことは事前に聞いていたがまさかここまでとは思っていなかったのだ。 しかし、だからといって青年はてんこを気に入っている。なんとかこの癖を矯正出来ないかと尋ねる。 「一番の方法はやっぱり番になるゆっくりを買うことですかね、そうすれば寂しいとはあまり感じなくなるみたいですので。 てんこ種ならいく種と仲が良いですよ?」 そう言って店員は大きめのゆっくりハウスでくつろいでいる胴付きいくを指さす。 自分が見られていると分かったのか、いくはぺこりとお辞儀してお決まりの言葉を言う。 「ゆっくりしていってくださいね!」 可愛げのある仕草に青年も買ってみようかなと思ったが、いくの胸につけてある値段プレートを見て愕然とした。 その値段はてんこを買った値段の数倍もする金額がプリントされている。 「ちょっと高くないですか?同じ希少種のてんこはあんなに安かったのに。」 「最初に言いましたよね、あのてんこは返品されてるって。だからあの値段だったんですよ。 それと元々は金バッジだったんですが、素行が悪いということで銀バッジに格下げされたことも安くなった原因です。」 それでてんこはあのように頭がいいのかと納得する青年。てんこはあの癖以外はほぼ理想のゆっくりといっても過言ではない。 だがその癖が一番の問題なのだが。 「他に番になりそうなゆっくりはいません?」 「そうですね~。後はゆかりかすいかも仲がいいと言われてますが全部というわけでもありませんから。 両方希少種で値段も変わりませんし、うちの店じゃ入荷してないんですよ。」 そう答えられ青年は肩を落とす。何か方法があるのではないかと来てみたが結果は収穫無しである。 家に帰ろうとする青年に店員が慌てて声をかける。 「ちょっと待ってください。もう一つ安くて癖を矯正できる方法がありましたよ!」 その言葉を聞き青年は店員にその方法を聞くことにした。その内容とはブリーダーの躾による矯正法だ。 値段も希少種の番を買うのに比べれば随分と手ごろな値段でもあった。 「でも問題とかないんですか?飼ってわかったんですがてんこって結構打たれ弱いですよ。」 「大丈夫ですよ。ブリーダーはゆっくりのプロですし、下手してもドMになるぐらいですから。」 てんこ種がドMなのは実はある種の自己防衛とも言われている。さびしくていたずらして周りからいじめられる、 だがその間は相手をしてもらい自分にかまってもらえる。そのため体が丈夫に進化したとも言われる。 あんまり変わってないんじゃと思った青年だが、いたずらはしなくなり遊んだり少し叩いてやれば満足すると言われた。 ついでにてんこの素行も矯正するということでこの提案を受けることにした。てんこを店に連れて行きブリーダーの人に預ける。 てんこには一週間仕事で遠くに行くから、しばらく良い子でいろよと青年は言っておいた。 こうしててんこのいたずら癖を矯正する生活が始まった。 てんこはブリーダーの家に来てからまったくゆっくり出来ていなかった。 今まで飼い主にしていたことのほとんどがブリーダーからのお仕置き対象になっている。 「お兄さん大変よ!お水さんがどんどん溢れてるわ!」 そう言って蛇口を開けっ放しにして水を出していると、ブリーダーからゆっくりを躾ける為のしつけ棒がとんだ。 「ゆぐ!」 「駄目だろてんこ!そんなことしたら飼い主さんに迷惑がかかるだろ。」 そう言った後にブリーダーはてんこを優しく撫でて諭すように言葉をかける。 決して鞭だけでなく、飴も一緒にするようにするのはこのブリーダーのやり方である。 あまり怖がらせては人間に怯えるようになるので、怒った後は常に優しくする。 「こらてんこ、お腹が減ったならちゃんと言えばおやつをあげるよ。だからこんなもの食べちゃ駄目。」 「返してね!てんこの桃さん返してね!」 てんこから桃を取り上げるブリーダー。てんこ種のお飾りには常に桃が実っており、野生のてんこはこの桃を常食としている。 不思議なことに桃は採っても一日程度ほっておけばまた生えてくる。しかし飼いゆっくりは基本的に人間依存を強める必要がある。 こうして食事を人間から与えられることで感謝の気持ちを持たせるようにするのだ。あまりあげるとゲス化もするが、 そこは常に適量を与えればゲス化することは少なくなる。 「お兄さん、もっとてんこと遊んでね!」 「ごめんねてんこ、お兄さんはお仕事しないといけないからもう遊べないんだ。」 「お仕事なんてほっておいててんこと遊んでね!」 「わがまま言うとまたお仕置きするよ?それにお仕事をしないとご飯さんが食べられないんだから理解してね。」 お仕置きと聞いて渋々言うことを聞くてんこ。飼い主であれば少しだけといって遊んでもらえたがここでは駄目だ。 しつこく言えばお仕置きとしてしつけ棒で叩かれる。 「てんこは悪くないもん。さびしいだけなのに・・・」 布団で泣きながら眠るてんこ。ブリーダーの判断は決して間違いとは言えない。 普通のてんこならば躾の途中でドMになっていたかもしれないが、このてんこはいささか変わっている。 飼い主の性格もあったが、このてんこは少し甘やかされすぎていた。 こうして一週間はあっという間に過ぎる。 「てんこ、少し遊んであげようか?」 「大丈夫だよお兄さん!お兄さんはせっかくのお休みなんだからゆっくりやすんでいってね!!!」 あれからてんこは良い子になった。しかしそれは人間に手のかからないゆっくりの基準であったが。 遊ぼうとしても遠慮しているのか、一人で本を読んだりするようになる。 まったく遊ばないわけでなく、飼い主の様子をうかがいながら一緒に遊ぶようになった。 「てんこ桃は食べないのか?前はあんなに食べてたのに。」 「桃さんよりもお兄さんからもらうおやつが美味しいよ。それとてんこはお腹が空いてないから大丈夫だから。」 以前なら一緒に桃を食べていたが、最近のてんこは飼い主からの食事以外物を食べなくなった。 まったく別ゆのようになったてんこを心配して飼い主は再びゆっくりショップに行くことにした。 「気に入りませんでしたか。ブリーダーからは良い子になったと報告を受けたんですが。」 「あれじゃあまるで別ゆですよ。元に戻せませんか?」 そう言って店員に頼み込む飼い主だが、店員は首を振る。 「矯正されたものですからね。もしどうしても言うならまた新しいてんこを買ってみたらどうです? 今回はこちらが勧めたということもありますし、お値段もサービスしますよ。」 元々自分がてんこを矯正するように頼んだのだ。それを飼い主として気に入らないという理由で買い替えるといのも、 てんこに対する罪悪感もあり買い直すということが出来ない。 「じゃあ前に勧めてくれたいくを買いますよ。」 「すいません、あのいくはもう別の人が買ってしまったんでもういないんですよ。」 しかたなく飼い主はてんこのいる家へと帰る。家に帰るとてんこが飼い主を迎えに玄関まで来た。 「お兄さんお帰りなさい!お家でゆっくりしていってね!!!」 笑顔で出迎えてに来るてんこ。だが飼い主にはその笑顔が無理やり浮かべているように思えた。 だがそんなことを顔に出さず、てんこを優しく撫でる飼い主。これからも飼い主とてんこはどこか辛そうに暮らしていくだろう。 おまけ もっとだ!もっと痛みをくれ! 「あの・・・お兄さんほんとに良いんですか?」 「かまわない!はやく俺に痛みをくれ!」 「それじゃあいきますよ。フィーバー!」 「これだ!この痛みこそ生きてる証なんだ!」 「なんだか気持ち良くなってきましたよ。フィーバー!」 「うおおおおおおおおおおおおお!」 ヒートアップしてしまったいくの電撃をくらい、気絶するお兄さん。 お兄さんの方はいくの電撃に魅了されてしまい、この危険行為はさらにエスカレートしていくことになった。 数年後にはお兄さんの頭は見事にアフロになるがそれはご愛敬。 後書き スレの方でHENTAIが敬遠されたようなので今回はちょっと自重してみました。 てんこはドMも良いけどちょっと原作みたいなかまってちゃんにしたら何故か後味の悪いことに。 異変を起こすけど解決するのは違うんじゃ?と思った方、すいませんそうでもしないとただのドMになるので。 最初に書いてありますがどうも変態タグが付けられない状態みたいです。前回間違ってみてしまったかたごめんなさい。 後お兄さんは基本的に説教、お仕置きをしてまりさを許すのがいつもの流れなんです。 財布から盗られたお金はまあ臨時のお小遣いみたいなものです。だからお仕置きが出来ずにお兄さんは一週間溜まっていて・・・ 次は何を書こうか考案中のHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす ふたば系ゆっくりいじめ 1087 まりさ家出する HENTAIあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ペットを飼うのにお兄さんは甘過ぎた。そういう話やろ? ↓×14 てんこの構ってちゃんは可愛いけど、 想像を超えるレベルだったから問題視されたのでは?(本文にも書いてあるし) -- 2018-03-27 09 25 21 スn…イク良いぞ!さあ、もっと…もっとだ!痛みを…俺に生きる実感をくれ‼︎ -- 2015-11-20 18 57 31 最後wwwHENTAI兄さんかよwww -- 2014-08-02 11 06 43 なんでコメントがメタルギアみたいになってんの -- 2013-02-16 20 54 26 ↓↓クレイモア?地雷探知機? -- 2012-07-27 12 16 00 お兄さん「さぁ、俺に生きる実感をくれ!」 -- 2012-05-11 22 53 49 二人っきりで勝負をつけたい、邪魔な奴ら(ゆっくり)は排除した。 -- 2012-01-12 01 53 56 気よつけろ、お兄さん、その先には「ゆレイモア地雷」が仕掛けてある、ゆ雷探知機を使うんだ。 -- 2012-01-12 01 49 51 名前などない・・お前(ゆっくり)と同じだ・・・ -- 2011-12-17 02 23 10 飼育って、やっぱり難しいものだよね。 -- 2011-11-07 00 58 52 悲しい話だね 無理はよくないってことか -- 2011-09-17 12 25 00 なんかお兄さんがグレイフォックスみたいになってるぞww -- 2011-05-26 00 29 16 HENTAI?私は一向に構わん!もっとやるんだ!! -- 2010-12-06 00 19 58 やっぱり独り身が飼うならてんし種だな!……ん? -- 2010-09-23 18 55 56 てんこちゃんは、あの「構ってちゃん」な所が可愛いのに… お兄さんはダメだな。 -- 2010-06-20 19 24 46
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?.桃太郎印のきびだんご 「ぱちゅりー、これはな〜に?」 「むきゅ!! これは、ももたろうじるしのきびだんごというものよ!! これをたべたものは、たべさせたものになつくようになるのよ!!」 「ゆゆっ!! だれでもなつくようになるの?」 「ええ、そうよ!!」 「れいむ、これほしいよ!! これをにんげんにたべさせて、れいむのぺっとにするよ!!」 「れいむだけずるいよ!! まりさもぺっとがほしいよ!!」 「わかったわ!! それじゃあ、これをもっていくといいわ!!」 ぱちゅりーは、きびだんごの入った袋を2匹に渡す。 2匹は袋を咥えると、人里に飛び跳ねて行った。 「全く!! 夏風邪を引くなんて散々だぜ」 ゴホゴホ咳き込みながら、男は里の道を歩いていた。 男は風邪を引いて、里の外れにある医院に行くところだった。 すると、男の目の前に突如現れる饅頭が2個。 「ゆっくりしていってね!!」 言うまでもなく、きびだんごを持ったれいむとまりさである。 ようやく人間の里についた2匹は、この男をぺっとにするべく、狙いを定めたのだ。 「なんだ、ゆっくりか。悪いが今日は体調が悪いんでな。治ったら構ってやるから、今日は帰ってくれ」 「ゆゆっ!! おにいさん、びょうきなの? それならいいものあげるよ!!」 好都合とばかりに、れいむは袋の中から、きびだんごを取り出し、男の前に差し出した。 2匹は道中、どうやって人間に食べさせるか考えていたのだが、これは渡りに船だ。利用しない手はない。 しかし、男は胡散臭そうな目線を投げつけるだけで、一向にきびだんごに手を付けようとしない。 「おにいさん!! おくすりだよ!! これをたべると、びょうきなんてすぐになおるよ!! ゆっくりしないでたべてね!!」 「お薬? おまえたち、これをどこから盗んで来たんだ?」 「ゆっ? ぬすむ? まりさたち、ぬすんでなんかいないよ!! ぱちゅりーにもらったんだよ!!」 2匹は盗んでいないと強調するが、男には信じられなかった。 見たところ、結構美味しそうなきびだんごである。 とてもゆっくりに作れるとは思えない。こいつらが作れるとしたら、せいぜい歪な泥だんごがいいとこだろう。 しかし、男にはそんなことはどうでもいい。 ゆっくり程度に侵入されるような家なんて、元々大した防犯対策も施していなかったのだろう。 ある意味、自業自得だ。他人のだんごがいくら盗まれようと、男の懐が痛むわけではない。 そんな男が何を気にしているのかというと、ゆっくりであるこいつらが食料を寄こして来たということである。 ゆっくりは、脳と胃袋が直結した饅頭である。 人間の食料を欲しがることはあっても、くれることなど絶対にあり得ない。 何か裏があるのは間違いないだろう。 男はジト目で2匹に問いただす。 「おまえら。一体なにを企んでる?」 「ゆゆゆゆゆっ!? たたたたくらんでなんていないよ!! ななななにいってるの、おおおにいさん!!」 「……つっかえ過ぎだろ」 「まままりさたちをしんじられないのは、おおおにいさんの、ここ、こころがよごれているからだよ!! こここのめをみてよ!! うううそなんかついていないでしょ!!」 「だから、そんな吃音言葉で言われてもなあ……」 男の乾いた視線をよそに、2匹はキラキラと目を輝かせている。(AA略 正直、気持ち悪い。 まあなんにしても、こいつらの態度を見れば、何か企んでいたのは一目瞭然だ。 無論、そんな怪しい団子など食べる気は毛頭ない。 ゆっくりといってもピンからキリまで様々だ。 中には、悪知恵が働くゆっくりが、盗んできた団子に毒を混ぜるくらいするかもしれない。 もし、そんなものを食べて死んでしまいでもしたら、ゆっくりに殺された男として、末代まで物笑いの種にされてしまう。 そんなのは、死んでもごめんだ。 もっとも、地面に直に置かれた土まみれの団子なんて、例え毒が入っていなくても食べる気はないのだが…… 男は、こんな饅頭どもに構っている時間も惜しいと、その場を後にしようとした。 いつまでもこいつらのペースに乗せられていたら、治る風邪も治らないというものだ。 しかし、2匹も男を帰すつもりはなかった。 何が何でもきびだんごを食べさせようと、必死で男に食らい付く。 「まってよ、おにいさん!! おくすりをちゃんとたべないと、よくならないよ!!」 「生憎と今から医者に診てもらうから、お前らの薬なんて必要ねえよ」 「ゆゆっ!! れいむとまりさのことが、しんじられないの?」 「さっきのやり取りのどこに信じられる要素があったよ?」 「ゆうううぅぅぅ――――!!! とにかくたべてよ!! おにいさんは、だまってたべればいいんだよ!!」 「遂に地が出たか……」 呆れた男は、2匹の横を通り過ぎようとした。 しかし、どんなに言っても素直に食べてくれない男に業を煮やした2匹は、遂に最終手段に打って出た。 きびだんごを咥えると、男の口めがけて放り投げたのである。 ここで、桃太郎印のきびだんごの、もう一つの特性を説明しよう。 きびだんごを手にした者は、かの星飛雄馬やバタ子さんも真っ青の制球力を身に付けることが出来るのだ。 それは正に百発百中で、どんなにダメな人間でも口の中に投げ入れることが出来るという優れものである。 しかも投げられた者は、まるで念力でも掛けられたように、決まって口を開けて待っている。 その為、きびだんごを回避する手段はない……ハズだったのだが。 きびだんごは、男の口に入ることなく、ポトリと地面に落ちた。 遂にきびだんご制球力伝説も終焉かと思うかもしれないが、落ちた理由はなんてことはない。 男が風邪でマスクをしていただけである。 マスクの中でしっかりと口を開けていたものの、マスクにガードされていては、入るものも入らないに決まっている。 2匹の行動は、最初から最後までダメダメだったのである。 一投目を外した2匹は、慌てて次のきびだんごを投げようとした。無駄なことにも気が付かず。 しかし、男がそれを許すはずはない。 いい加減2匹がウザくなってきた男は、きびだんごを咥えたまりさの前に行くと、すかさずきびだんごをそのまま口の中に押し込んだ。 「ゆげえぇぇ!! おにいさん、なにする……」 男は、まりさの口にきびだんごを突っ込むや、体を揺さぶって無理やり消化させた。 その後、袋の中からもう一個のだんごを取り出すと、れいむの口の中に入れて、むりやりシェイクさせる。 こうして、2匹は男にきびだんごを食べさせられたのである。 男はしばらく2匹を見ていた。 一体、きびだんごに何を仕掛けていたのかが、気になったのだろう。 見たところ、特に腹痛を起こしたり、死んだりするような様子は見られない。 しかし、あれがただのきびだんごであるはずがない。 何かしらの反応があるはずなのだが、2匹は放心したように、その場から動かなくなった。 男は、その後も何分か黙って様子を見ていたのだが、2匹は一向に動かないので、もうこいつらに構うのは飽きたと、病院に向かった。 去り際に、一言声を掛けて。 「お前らもこんな所で悪だくみなんかしてないで、饅頭らしく、さっさと人間に美味しく食べられろよ」 男は、駆け足でその場を去っていった。 男からすれば、茶目っけを出して言った言葉に過ぎない。 しかし残った2匹は、その後どちらともなしに里の中に向かっていった。 数時間後、男が薬を貰って帰ってくると、里の一角で何やら人だかりが出来ていた。 何か見せものでもやっているのかと輪の中に入っていくと、2匹のゆっくりが一人の人間に飛びかかっている。 最初は攻撃されているのかと思ったが、どうもそうではないらしい。 「れいむをゆっくりたべてね!!」 「まりさはとってもおいしいよ!!」 自分を食べてと騒ぐ、実に鬱陶しい2個の饅頭 どこかで見たことがあるような面構えだ。 食べてと纏わりつかれている人間は、鬱陶しそうな顔で2匹を振り払っているが、2匹もしつこく食い下がる。 あの調子じゃ、いずれ人間に潰され…… あっ!! まりさが踏みつぶされた!! 隣で餡を盛大にまき散らしている相方を見ても、れいむはなお食べてもらおうと必死だ。 もしかして、あの団子はそういう団子だったんだろうか? まあ、それも男にはどうでもいいことだ。 熱も引いていないので、家でゆっくりするべく、人の輪の中から抜け出して。 後ろからは、ベシャリと生々しい音が聞こえた。 ?.ひらりマント 「ぱちゅりー、これはな〜に?」 「むきゅ!! これはひらりまんとというものよ!! これをつかうと、どんなこうげきでもかわしたり、はねかえしたりことができるのよ!!」 「ゆゆっ!! どんなこうげきでもかわせるの!! れいむ、ほしいよ!! これをつかって、にんげんのこうげきをかわしたいよ!!」 「ずるいよ!! まりさも、にんげんのこうげきをはねかえして、にんげんにかちたいよ!!」 「わかったわ!! それじゃあ、じゅんばんにつかってね!!」 ぱちゅりーは、まずれいむからと、マントをれいむに装着してくれた。 その姿は、我らがメタナイト様を彷彿とさせる姿である。 マントを纏ったれいむは、意気揚々と人里のほうに向かっていった。 「おにいさん!! れいむとゆっくりしょうぶしてね!!」 適当な一軒家を見つけると、運よく縁側に座っていた人間を見つけ、れいむは勝負を申し込んだ。 戦いを申し込まれた男は、ちょうど暇を持て余しており、また妙なマントを羽織ったれいむに興味を持って、からかい半分で勝負に乗ってやることにした。 「それじゃあ、まず俺の攻撃だ!!」 ゆっくりが死なない程度の速度でパンチを繰り出す男。 しかし、れいむが突如、待ったをかける。 「ゆっくりとまってね!!」 「あん?」 「こうげきをするときは、れいむのまんとにこうげきしてね!!」 そう言って、れいむは男に背を向けた。 男は訝しむも、素直にれいむの言い分を聞いて、マントにパンチを放った。 すると、直撃間違いなしのコースに放ったパンチは、ヒラリと横に逸れてしまった。 男は訳が分からず何度もパンチを繰り出すが、一向にクリーンヒットしてくれない。 そんな男に優越感を感じたのか、れいむは男のほうを振り向き、「ゆっふっふ!!」と高笑いを上げる。 さすがに、ゆっくりに馬鹿にされては、人間の立つ瀬がない。 男は、ちょうどこちらに向けた顔面にパンチを放つ。 「ゆびゃあっ!! なにずるのおおぉぉぉぉ―――――!!!」 「なにって、パンチだが?」 「まんとにこうげきしてっていったでしょ!! ゆっくりりかいしてね!! ぷんぷん!!」 「それはお前の都合だろ。俺がそれに従う義理はねえよ」 そう言って再度パンチを放つと、「もうおうぢがえるうううぅぅぅぅぅ――――!!!!」と、男に背を向け、れいむは森に逃げ帰っていった。 男はいい暇つぶしになったと、特にれいむを追いかけはしなかった。 森に帰ったれいむは、まりさと共に作戦会議を開始する。 「れいむのやりかたには、ちめいてきけってんがあったんだよ!!」 「ちめいてきけってん?」 「ゆっ!! つぎはまりさがいってくるよ!! ゆっくりれいむのかたきをとってくるからね!!」 「わかったよ!! がんばってね、まりさ!!」 そう言うや、れいむはマントをまりさに手渡した。 まりさは、まんとを口に咥えると、れいむが敗北した人間のところに飛び跳ねて行った。 「おにいさん!! こんどはまりさとゆっくりしょうぶしてね!!」 「あっ?」 れいむが居なくなり、再び暇を持て余していた男の前に、今度はまりさが遣ってきた。 しかも、口にはれいむが付けていた不思議なマントを持っていることもあって、れいむの敵打ちに来たことが丸分かりだ。 ちょうどいいと、もう一度構ってやることにした。 「じゃあ、こっちからいくぞ」 「ゆゆっ!! ゆっくりまってね、おにいさん!!」 「あん?」 「こうげきするまえに、まりさのからだのうえに、このまんとをかけてね!!」 まりさはそう言って、男にマントを手渡してきた。 敵に切り札を手渡すのはどうかと思ったが、まあいいかと、まりさの上にマントを掛けてやった。 マントがまりさの体全体を包み込んで、完全にまりさの体がマントの中に隠れる。 「ゆふふふふ!! これでまりさにしかくはないよ!! ゆっくりこうげきしてきてもいいよ!!」 まりさは完全にマントに包まれたこともあって、もう一切の攻撃は通用しないと自信満々だ。 マントで顔は見えないが、おそらく男を小馬鹿にしているような表情に違いない。 その自身が妙に腹が立った男は、掛けてやったマントを引っぺがし、まりさに蹴りを入れた。 「ゆびいいぃぃぃ――――!!!! なにするのおおぉぉぉぉ――――!!!」 「なにって、キックだが?」 「まんとにこうげきしてっていったでしょ!!」 「いや、れいむは言ってたが、お前はそんなこと一言も言ってないが……」 「とにかく、もういちどまりさにまんとをかけてね!! そして、まんとにこうげきしてね!! ゆっくりりかいしてね!!」 「うるせえ!!」 「ゆびゃあぁ!! まんどのうえがら、ごうげきしでっていっだのにいいいぃぃぃ――――!!! もうおうぢがえるううううぅぅぅぅぅ―――――!!!」 あまりにウザったかったので、まりさの言葉を無視して顔面に蹴りを入れると、まりさは男の手からマントを引っ手繰って、森の中に逃げ帰っていった。 ありゃもう一度来るなと思いながら、男は縁側で横になった。 「ゆううぅぅ……まりさのさくせんも、うまくいかなかったね」 「おにいさんがひきょうなんだよ!! まりさはまんとのうえからこうげきしてねっていったんだよ!! それをむしして、こうげきしてきたんだよ!! ぷんぷん!!」 「ほんとうにひきょうだね!! ぷんぷん!!」 2匹は、まったく持って的外れなことを口にする。 どうにかしてあの人間に一矢報いなければ気が済まない2匹は、何とか餡子を捻って作戦を絞り出す。 そして考えに考えた末、ようやく今までの反省点を生かした、画期的な作戦を思いついた。 これ以上にない名案に、まりさはニヤケが止まらない。 れいむにもそれを教えると、「それは名案だよ!!」と目を輝かせ、作戦遂行の準備に、森の中を駆け回った。 「はあ〜〜〜〜あぁぁ!! まったく、退屈だな……あいつら、もう来ないんかね?」 縁側で横になっていた男は、ボーッとれいむとまりさを待っていたが、一向に来る気配がなく、日差しに当てられ、眠気が襲ってきた。 徐々に瞼も重くなり、もう堪えられないといった時、奴らは現れた。 「おにいさん!! こんどこそ、れいむたちがかつよ!!」 れいむとまりさが、連れだって男の前にやってきた。 しかも今回は、ありす、ちぇん、みょん、ぱちゅりーも、後ろに控えている。 なかなか勝てないものだから、数で勝負に来たのかと思ったが、どうやら違うらしい。 後ろ4匹は、マントの4つ角をそれぞれ咥えると、その下にれいむとまりさが入り込んだ。 そして、マントの中から、偉そうなことを口にし出す。 「ゆっふっふ!! こんどこそまりさたちのかちだね!! みんながおさえているから、おにいさんはまんとをとれないよ!!」 「にげだそうとしても、もうおそいよ!! ゆっくり、ひきょうなてをつかったことをはんせいしてね!!」 まりさの考え付いた作戦。 それは、マントの4つ角を仲間たちに持っていて貰うことにより、男にマントを奪われないようにするというものである。 そして、その下に隠れることによって、2匹に攻撃する手段は一切無くなるのである。 この画期的な作戦に、2匹は完全勝利を確信した……が、 「ああ……まあ、その…何というか……あれだ。おまえたち……一応本気でやってるんだよな?」 「ゆっ? いまごろわかっても、もうおそいよ!! まりさたちは、てかげんしないからね!!」 「ゆっくりじぶんのしたことを、はんせいしてね!!」 男が呆れているというのに、2匹にはどうやら伝わら無かったようだ。 こうなっては行動で分からせてやるしかないだろう。 男は、とりあえずマントを咥えている4匹に、拳骨を入れてやった。 「「「「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁ――――――!!!!」」」」 あまりの衝撃に、咥えたマントを落とす4匹。 その後、もう一発ずつ拳骨をくれてやると、「おうぢがえるううぅぅぅ――――――!!!」と、泣きながら森のほうへ飛び跳ねて行った。 後に残ったのは、マントとその下にいる2匹のゆっくり。 マントを被っていて外の様子は見えない物の、物音と4匹の叫び声で、大体の事情は察したのだろう。 2匹は喋らず、マントは小刻みに揺れている。 そうとう男が恐ろしいのだろう。だったら初めから喧嘩を売るなと言いたい。 男はマントを取ると、2匹に向かっておもむろに話し出した。 「お前たちがなんで俺に負けたか分かるか?」 「わ、わからないよ……ゆっくりせつめいしてね」 「ゆっくり説明してやろう。お前たちが負けた理由、それは攻撃できる箇所を残しておいたからだ!!」 「ゆっ?」 「簡単に言うとだな、お前たちは確かに安全だった。しかし、他の4匹は裸同然だ。そこを狙われたら、一溜まりもないだろう」 「でも、ありすやみょんをねらうのは、はんそくだよ」 「誰がそんなルール作ったよ。いや、もし有ったとしても、そんなもん守る馬鹿が何処にいる。弱点を攻めるのは、戦いの常識だ」 「ゆうぅぅぅ……」 「まあ、お前たちも今回頭を使ってきたことは、何となく分かった。そこで、俺が絶対に破れない鉄壁のガードを教えてやろう」 「ゆゆっ!! てっぺきのがーど!?」 「なあに、こうすればいいのさ」 男はそう言うと、マントを広げて地面に置き、その上に2匹を置いて、茶巾包みの要領で包み込むと、口を紐で縛った。 「どうだ、これで完璧だろ。しかも、もう弱点になるような箇所もないから、お前たちに触れられる奴は完全に居なくなったというわけだ」 「ゆゆっ!! すごいよ!!」 「こんどはぜったいにまけないね!!」 「おにいさん!! もういちどしょうぶだよ!! こんどは、まりさたちのかんぜんしょうりだよ!! あやまるならいまのうちだよ!!」 茶巾の中から、偉そうな声だけが聞こえてくる。 これをしたのは男だというのに、すぐに忘れ自分の手柄のようにするところは、ゆっくりらしいといえばゆっくりらしい。 2匹は今度こそ男に勝てると意気込んでいるが、男は攻撃するではなく茶巾を抱えると、それを家から遠く離れた木の枝にぶら下げた。 そして、2匹を放って家に戻って行く。 男が去った後も、2匹は茶巾の中から、攻撃してこいと挑発を繰り返す。 男は、しばらく縁側で横になりながらその様子を見ていたが、次第に瞼が重くなって、そんまま寝てしまった。 数時間後。 「なんでこうげきしてこないのおおおぉぉぉぉぉぉ――――――!!!!」 「ゆっぐりここがらだじでええぇぇぇぇぇぇ――――――!!!!」 2匹は、初めこそいつ男が掛かってくるのかと待ち遠しかったが、男が中々掛かってこなくて次第にじれったくなり、遂にはマントの中で泣き出してしまった。 しかし、出たくても出ようがない。 人間の力で結んである紐がゆっくり風情に解けるわけないし、食い千切ろうにもマントはあらゆる攻撃を防ぎ切る絶対防御のマントだ。 つまり2匹が茶巾の中から出るには、男が出す以外手はないのである。 しかしながら、男は腹がすいたと、外に食事をしに出かけていってしまった。 すでに、2匹のことなど頭の片隅にも残ってない。 「「だずげでええぇぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!!!」」 男がそれを思い出すまで、2匹は延々とマントの中に閉じ込められたままである。 いや、もしかした、一生思いださないままかもしれない。 ?.グルメテーブルかけ 「ぱちゅりー、これはな〜に?」 「むきゅ!! これはぐるめてーぶるかけというものよ!! これをひろげてたべもののなまえをさけぶと、たべものがでてくるのよ!!」 「ゆゆっ!! たべものがでてくるの!! れいむ、ほしいよ!! いっぱいおいしいものをたべたいよ!!」 「れいむだけずるいよ!! まりさもおいしいものを、いっぱいたべるよ!!」 「わかったわ!! それじゃああなたたちにあげるから、じめんにひろげて、ともだちみんなといっしょにたべてね!!」 れいむとまりさは、2匹仲良くテーブルかけを運んで行った。 いつも仲間たちが集まる広場に行くと、都合よく友人一同が会していた。 「ゆゆっ!! まりさ、れいむ!! それはなにかしら?」 「これは、ぐるめ……えっと、ぐるめ……とにかく、たべものがいっぱいでてくるものだよ!!」 「わかるよー!? たべものがでてくるよー!?」 「ちーんぽ!!」 「ぱちゅりーがみんなでたべてねっていってたよ!! みんなでいっぱいごちそうをたべようね!!」 2匹は、テーブルかけを地面の上に広げた。 一同は、テーブルかけを中心に輪を作る。 「まずさいしょに、まりさがたべものをだすよ!!」 「がんばってね、まりさ!!」 「ゆっ!! むしさ〜ん、いっぱいでてきてね!!」 「わくわく!! わくわく!!」 しかし、一向に虫は出てこなかった。 「ゆっ? むしさん、でてきてねっていってるでしょ!!」 しかし、やはりまりさの言うことを聞かず、虫は出てきてくれなかった 「ゆゆゆっ!! ゆっくりまりさのいうことをきかないどうぐさんは、ゆっくりしね!!」 怒ったまりさは、テーブルかけに乗り込み、ピョンピョン跳びはねる。 「ゆっくりはんせいしてね!! ゆっくりまりさのいうことをきくなら、ゆるしてあげるよ!! こんどはちゃんと、まりさのいうことをきいてね!!」 そう言って、テーブルかけから降りる。 そんなまりさに、ありすが助言を入れる。 「ねえ、まりさ!! むしさんなんて、いつだってたべられるわ!! たべられないものをだしましょうよ!!」 「ゆゆっ!! めいあんだよ!! まりさ、ゆっくりあまあまをたべたいよ!!」 あまあまとは、人間のお菓子のことである。 かつて優しい人間に貰ったクッキーは、それはそれは絶品であった。 まりさの人生観を変えた食べ物であるといってもいいくらいだ。 虫なんていつでも食べられる。やはりここは、あのあまあまを取り出すべきだろう。 「ゆゆっ!! ゆっくりあまあまをだしてね!!」 テーブルかけは反応しない。 「ゆー!! ゆっくりあまあまをだしてっていってるでしょ!! ばかなの!!」 しかし(ry 「こんなやくただすは、ゆっくりしね!!」 まりさは再びテーブルかけに乗り込み、暴れ出す。 他の仲間たちも、期待していたものが出ないとあって、やり場のない怒りを抑えられず、まりさ同様、テーブルかけの上で暴れまわった。 下が地面だということもあり、テーブルかけはすっかりボロボロになってしまった。 「ゆー!! ぱちゅりーにだまされたよ!! ぱちゅりーはうそつきだよ!!」 すっかりぱちゅりーに騙されたと思い込むゆっくり一同。 しかし、ぱちゅりーが騙したわけでもなければ、テーブルかけが故障したわけでもない。 グルメテーブルかけ。 その名の通り、一流のグルメすら舌を巻くほどの料理が出てくるテーブルかけである。 しかも、料理を出すための条件は、その料理の名を出すだけというお手軽さ。 機械に対する知識も、料理に対する知識も、食事のマナーさえも必要ない。 いつでもだれでも、最高の食事を得ることが出来るという、もし大量生産されれば、世界の食事事情や飲食業界を1日で転覆させるような代物である。 あるのだが…… 虫 あまあま これがはたして料理の名前と言えるだろうか? 所詮、野生に暮らしていたゆっくりにとっては宝の持ち腐れに過ぎないのである。 「ゆゆっ!! いまからうそつきのぱちゅりーをみんなでやっつけにいくよ!!」 「「「「ゆー!!!」」」」 ……ゆっくりとは実に悲しい生き物である。 ?.進化・退化光線銃(進化退化放射線源) 「ぱちゅりー、これはな〜に?」 「むきゅ!! これはしんか・たいかこうせんじゅうというものよ!! いろいろなものをしんかさせたり、たいかさせたりすることができるのよ!!」 「ゆゆっ!!なんでもしんかさせたり、たいかさせたりできるの?」 「もちろんよ!! ものでもゆっくりでも、じゆうじざいよ!!」 「まりさ、しんかしたいよ!! しんかして、どすまりさよりもにんげんよりもつよくなりたいよ!!」 「れいむもしんかしたい!!」 「わかったわ!! それじゃあ、まりさからしんかさせてあげるわ!!」 ぱちゅりーは、銃のダイヤルを「進化」に合わせる。 「まりさ!! ゆっくりそこにたってね!! いまからじゅうをつかうわ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 ぱちゅりーは銃を地面を咥えると、トリガーを引いた。 ちなみに、ぱちゅりーが銃を使えるのか? なんて空気の読めないことを言ってはいけない。 こういうことは、その場のノリで簡単に出来るものなのである。 みんなも衣玖さんを見習ってね!! 銃から光が照射され、まりさを包み込む。 まりさの体は徐々に大きくなり、皮も厚くなって、手や足が出現した……なんてことはなかった。 「ゆっくりおわったわよ!! どう、まりさ、きぶんは?」 「まりさ!! ゆっくりどこがしんかしたの?」 見た目は全く変わっていない。 なら変わったのは、きっと頭の中だろう。 今のまりさは、ドス以上に発達した餡子脳を持っているに違いない。 しかし、2匹が尋ねても、まりさはさっぱり返事を返してくれない。 「むきゅ? どうしたのかしら?」 「まりさ!! ゆっくりへんじをしてね!!」 しかし、やはりまりさは答えてくれない。 業を煮やしたれいむは、「ぷんぷん、もういいよ!!」と、無視するまりさに構うのを止めた。 「ぱちゅりー!! つぎはれいむをしんかさせてね!!」 「……むきゅ、わかったわ!!」 まりさが気になりはしたものの、何か考えがあってのことに違いないと考えなおす。 何しろ、今のまりさは進化したスーパーまりさなのだ。 ぱちゅりーには思いもつかないことを、いろいろ考えているのだろう。 「れいむ!! それじゃあうつわよ!!」 「ゆっくりうってね!!」 ぱちゅりーは、先ほどのように銃を咥え、トリガーを引こうとした。 しかし、そこで重大な事件が起こってしまった。 ぱちゅりーが咥えていた銃をうっかり落としてしまい、その拍子にダイヤルが「退化」に変わってしまったのである。 ぱちゅりーはそれに気付かず、再び口に咥えると、ゆっくりトリガーを引いた。 光線がれいむを包み込む。 「れいむ、おわったわ!!」 「ゆゆっ!! これでれいむもしんかしたんだね!!」 「そうね!! でも、どこがかわったのかしら? まりさとおなじく、あたまのなかかしら? どう、きぶんは?」 「ゆぅぅ……かわってないとおもうよ」 「じゃあ、きっとれいむは、あたまじゃなくてからだがつよくなったのね!! みためはかわってないけど、きっとものすごくつよくなってるはずよ!!」 「ゆゆっ!! つよくなってるの!? それじゃあれいむ、にんげんさんのところにいって、おやさいをてにいれてくるよ!! もうにんげんさんなんて、こわくないよ!!」 「きをつけてね、れいむ!!」 ぱちゅりーとれいむを置いて、れいむは嬉しそうに里へと跳びはねていった。 ぱちゅりーは、まりさの方に目を向ける。 まりさはまだ考え事をしているのか、全く動かない。まるで人形のように固まっている。 「……むきゅ?」 ぱちゅりーはおかしいことに気づいた。 まりさは動かなすぎるのだ。 どんなに考え事をしていようと、多少は体が動くはずだ。 なのに、まりさは微動だにしない。 まるで本物の饅頭のように…… 一方、その頃、れいむは…… 「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――!!!! なんでれいむがまげるのおおおおおぉぉぉぉぉ――――――――――!!!」 畑を耕している人間の目の前から堂々と入り、野菜を寄こせと要求する。 男が寄こすはずもなく、れいむは男を倒すべく、渾身の体当たりを仕掛けた。 しかし、男はあっさりそれを交わすと、れいむを鍬で滅多打ちにした。 「でいぶはしんかしだはずなのにいいいいいぃぃぃぃぃぃ―――――――――!!!!」 それを断末魔の言葉に、れいむはあっさりと息を引き取った。 進化・退化光線銃。 物に光線を当てれば、進化させたり退化させたり思いのままの銃である。 しかし、まりさは無機物のように固まり、れいむは進化の後も見られずこの世を去った。 ゆっくりの進化。それは、人に食べられる饅頭であると、銃は認識したのだろう。 食べられない饅頭は、もはや饅頭ではない。 結果、まりさは完全な饅頭へと「進化」したのである。 片や、退化の光を浴びたれいむは、何も変わらなかった。 どんなに光を当てようと、ゆっくりはこれ以上退化しようがない。 なぜなら、すでに存在自体が最底辺なのだから。 れいむはどんなに光線の光を浴びようと、「退化」するはずがないのである。 さすがはゆっくりである。 〜fin〜 相変わらず、ぱちゅりーはどこから道具を手に入れてくるのだろうww 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後? 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お中元の季節。 我が家に変なモノが届いた。 「なんか、ゴトゴトしてる・・・」 正方形に近い、両手で抱えるくらい大きな箱が揺れている。 中に生物でも入っているかのように。 海老かな、と予想して包装紙をブチ破る。 残念ながら、すぐに俺の期待は裏切られた。 『ゆっくり・フレーバー・キット』 ファンシーなフォントで、デカデカと書かれていた。 その文字の下には、あまり見たことのない種のゆっくりが描かれている。 緑色の髪の毛と、赤い目。リボンや帽子などの装飾品は無い。 「・・・ゆうか種か」 ゆっくり幽香、通称ゆうかだ。 正直、興味無いので今まで見たことも触った事もない。 俺はれいむ種とまりさ種が好きなのだ。 「希少種もお手ごろ価格になったもんだねえ」 一昔前まで、某消費者金融の犬並に値段が張ってたのに。 今じゃお中元に詰め込まれるほど価値が下がったらしい。 「・・・おっと、中身中身」 まだ中を見ていなかったので、ゆうか種が詰め込まれているとは限らない。 無造作に蓋を引き裂く。 ゆうかの絵が真っ二つになった。 「・・・ッ!!・・・ッ!!!・・・ッ!ッ!!!」 予想通り、箱の中にはゆっくり幽香が入っていた。 バレーボールほどの成体サイズだ。 声が外に漏れないようにするためだろう、布らしきものを口に詰め込まれている。 そして、ゆうかの隣にはまた箱があった。 開けてみると、中にはアルコールランプと三脚、花瓶のようなものが入っていた。 「説明書、発見」 箱の隅に、電卓の説明書くらい薄っぺらな説明書が転がっている。 わからないときは説明書を読むのが一番だ。 説明書をまったく読まない人間がいるらしいが、あれは本当に理解できない。 ゲームとか、説明書読んでるときが一番楽しかったりするし。 俺はページをめくった。 二ヵ月後。 俺はゆっくりしていた。 「ああ・・・いい感じでゆっくりしてきた・・・。ゆっくりしたフレーバーだ・・・」 「ぎぴぃぃっ!!!あぢゅいぃいいっ!!!だぢゅっ!!だぢゅげでぇえっ!!!みゃまぁあああっ!!!」 甘く柔らかい、花の香りがほんのりと部屋を包み込んでいる。 その香りを吸い込むと、俺は心の底から幸せな気分になるのだ。 「おにいぁああん!!!だずげであげでええっ!!!ぼうゆ゙るじでぇえ!!!」 そしてこの声。 そもそも俺は、ゆっくりの悲鳴を聞くだけでゆっくりできるのだ。 花の香りと悲鳴のハーモニーは、俺にゆっくりタイムを提供してくれる。 あのお中元、ゆっくり・フレーバー・キットはいわゆるアロマテラピー的な商品だったのだ。 「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ・・・」 気がつくと、赤ゆうかが痙攣を起こしていた。 どうやら少し、ゆっくりしすぎてしまったようだ。 「ん、そろそろ交換だな」 少し面倒だったが、ソファから立ち上がる。 半分眠っているような状態でゆっくりしていたため、ちょっと気分がモヤモヤした。 俺が立ち上がるのを見たとたん、ゆうかの顔が強張った。 あの日、お中元で貰ったゆうかだ。 「ゆっ!!やべでっ!!!も゙うゆうがのあがぢゃんをごろざないでねっ!!」 あのゆうかも、今や100児の母である。 親ゆうかともいう。 どうでもいい話だが、親ゆうかの交尾の相手は毎回変わる。 在庫が切れた時、れいむやまりさを近所の森から適当に拉致ってきて交尾させているからだ。 「さーて、次はどれにしようかな」 水槽に入った親ゆうかは、我が子を守ろうと懸命に威嚇を始める。 何十回、何百回も繰り返してきたことだ。 とうに無駄だとわかっていても、諦めることなく抵抗するその心意気はすばらしいと思う。 れいむ種に勝るとも劣らない母性っぷりだ。 あまりの素晴らしさに、俺は思わず偶然手に持っていた木製ハンマーで親ゆうかを殴りつけてしまった。 親ゆうかの口から、黄色っぽい液が飛び出す。 「はーい、じゃあ次は君ね」 俺は、親ゆうかから少し離れた所で震えていた赤ゆうかを捕獲した。 「ゆっ!?ま、まんまぁあっ!!?ごわいよぉぉおっ!!!だぢゅげでええええ!!!」 「ゆ!!ゆうがのおチビじゃあああああああああん!!!!!」 手の中で赤ゆうかがモゾモゾと不気味に動く。 ついそのまま潰してしまいたくなる。 「いやいや、我慢我慢」 潰したら面倒だ。 ゆうか種は、中身が花の蜜のようなものなのでこぼれ易いのだ。 多少ネットリとはしているものの、カーペットに染み込んだら大変である。 「おにいざんっ!!!ぼうやべでねっ!!!」 親ゆうかが俺に言う。 ボロボロと泣く親ゆうかと、不安そうに姉妹を案ずる赤ゆうか約50匹がこちらを見ていた。 ちなみに、交尾の相手方の種のゆっくりは、普段の虐待に使っているのでここにはいない。 「おにーしゃんいもーちょをいじめないでねっ!!おにぇがいだよっ!!」 「どぼじでこんにゃこちょしゅるのぉお!!」 「ゆーきゃたち、なにもわりゅいことしてにゃいのに!」 ピーピーと、甲高い声で赤ゆうかが抗議する。 とてもやかましい。 悲鳴は好きだが、耳を突くような高い声はあまり好きではないのだ。 俺は偶然手に持っていた木製ハンマーを机に叩きつけた。 シン、と声が止む。 「ゆ゙・・・!!お、おねがいだよ・・・!!おチビじゃんを・・・がえじでね゙・・・」 親ゆうかに背を向け、俺は部屋の隅へと歩いていく。 アルコールランプは三脚の下にセットされ、火がともされている。 三脚の上には花瓶のような、縦長の陶器が置かれている。 この陶器は今、火で熱せられているのでとても熱い。 これが香炉だ。 「・・・死んでるか」 陶器の中をのぞくと、先ほどまで悲鳴を上げていた赤ゆうかが目を見開いて死んでいた。 「これが、お前の未来の姿だ」 赤ゆうかを指で挟み、陶器の中を見せ付ける。 ビクン、と大きく震えるのがわかった。 「おねぇええじゃああああん!!!ゆっぐりじでぇっ!!ゆっぐりじようよぉおおお!!!」 赤ゆうかから涙が溢れる。 俺はお箸で陶器の中のボロカスを摘むと、赤ゆうかに近づけた。 コンガリと香ばしい、花の香りがする。 赤ゆうかが、香りの源なのだ。 ゆうか種の中身である、花の蜜のようなものを利用したアロマテラピー。 説明書によると、ゆうかを焼くことで、全身から花のフレーバーが湧き出てくるという。 なるべくゆっくりと、苦しませるようにすると更に香りが楽しめるのだとか。 れいむ種やまりさ種を痛めつけると、餡子の甘みが引き締まって美味になるのに似ている。 「おねっ・・・!!おねえじゃん・・・!!ごわいよぉお・・・・まん゙ま゙ぁああ・・・ごわいよ・・・」 成体ゆうかでは、皮が厚くてフレーバーがあまり広がらない。 よって、皮が薄くて良い香りを持つ赤ゆうかが必要なのだ。 「じゃあな、ゆうか。せいぜい長持ちしてくれよ。いいフレーバーを期待してるからな」 お箸で赤ゆうかを摘むと、ここぞとばかりに泣き叫んだ。 ここで逃げなきゃ焼け死ぬのだから、当然だろう。 しかし所詮は赤ゆっくり。 俺のお箸ホールドからは逃げられない。 「はーい。さようなら。糞あっつい陶器の中でせいぜいゆっくりしていってね!」 そのまま陶器の中に、赤ゆうかは消えていった。 「ゆっぴぃぃいっ!!!あぢゅぃいいっ!!いだいっ!!ままぁああっ!!!あぢゅいいぃいぃよぉぉおっ!!!」 再び部屋に、ゆっくりとした悲鳴と香りが広がっていく。 在庫はまだ50匹もいる。 今日は奮発して、10匹分くらい楽しもうかな。 ゆうかも、自分の赤ちゃんの香りでゆっくりしていってね。 おわり。 作:ユユー このSSに感想をつける
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ゆっくりしていただけの群れ 11KB 自然界 ほんの少し未来の話 会話劇 黒二行作 【はじめに】 このSSは、ほんの少し先の未来を舞台にしたフィクションです。 単純明快なゆ虐や愛でを求める方には、おすすめ致しません。 【本編】 『ゆっくりしていただけの群れ』 (作・二行) 21世紀に入って30年も経つと、色々とおかしなことが起こるものだ。 人間の世界は相変わらず不景気だが、それでかえって救われたものもある。 たとえば、今私が分け入っている野山だ。 今世紀に成り立ての頃は、どこもかしこも開発ではげ山になっていたそうだ。 しかし、そんな余裕もなくなって幾年月。 機械の手が入らなくなった自然は、皮肉にも繁栄を取り戻している。 私が登っている坂も、そんなほったらかし大自然の一部だった。 道なんてないから、刃物を振り回して草を刈りつつ進む。 はたから見れば、今流行のテロリストと勘違いされそうだ。 別に、無差別テロの予行演習に来ているわけではない。 この山には、今ではあまり見られなくなった、ゆっくりしているゆっくりの群れがあるのだ。 彼らが珍客として地球に現れたのは、今から20年ほど前になる。 ダーウィンを冒涜するために生まれてきたような生物どもは、大きな話題を呼んだものだ。 彼らは、時とともに害獣化するものもいれば、人間に大きな利益をもたらすものもいた。 だが今では、社会の淀んだ空気と同調するかのように、ゆっくり達もまた俯いて暮らしている。 都会の野良ゆっくりなど、死を懇願するものまでいる始末だ。 新聞の風刺画が歩き回っているようで、気味が悪い。 しかし、人と没交渉な群れの中には、牧歌的な集団も残っている。 彼らの馬鹿丸出しでオママゴトっぽい暮らしは、見るものによっては憤慨の対象であろう。 だが、私は特殊性癖持ち。 そんなゆっくりした群れを観察するのが大好きな変わり者なのだ。 だからこそ、たまの休みと引き換えにして、こんな奥地まで出かけている。 山の所有者が、職場のお偉いさんなのも好都合だった。 彼のご機嫌さえ損ねなければ、伸び伸びとゆっくりウォッチングに興じることができる。 まるで種田山頭火の句のように、分け入っても分け入っても深い自然が続く。 道なき道を進んでいると、足元の方からおかしな声が聞こえてきた。 むきゅ、げほっ、げほ・・・。 屈んでそこらの草をかき分けてみると、顔色の悪い饅頭がクリームを吐いていた。 「おいおい、大丈夫か?」 普段は、ゆっくりには決して触れない。 あくまで、自然な観察が信条だからだ。 ただその時は気紛れから、リュックからスポーツドリンクを出し、かけてやった。 利くかどうかは気軽な賭けみたいなものだったが、功を奏したようだ。 ぱちゅりーは、みるみる元気を取り戻し、私を見上げて礼を言った。 「ありがとう、お兄さん! ゆっくりしていってね!!!」 最早記録の中でしかお目にかかれないと思っていた、ご挨拶。 それに触れた私は舞い上がってもいたのだろう、ついつい口からお返事が出る。 「ゆっくりしていってね!!!」 饅頭が、にっこりと笑った。 「それじゃ、ぱちぇは行くわ」 「待て待て、お前こそゆっくりしたらどうだ?」 「そうも言ってられないの。群れがなくなっちゃうのよ!」 私はクリーム饅頭をつかむと、その場に腰掛けた。 胡坐をかき、腿の上にぱちぇを置く。 「ななな何するの?」 「いいから落ち着け、虐めたりしないから」 「むきゅぅ・・・」 「で、なんで群れがなくなるんだ?」 「明日の朝、人間さんがいっぱい来るの。そして、群れを燃やしちゃうの」 駆除か。今では珍しいことだ。 今どき、そんな元気のよい自治体があるとは。 それとも。 「お前達、何やったんだ?」 「むきゅっ。ぱちぇのお話、聞いてくれるの?」 「そのつもりだ。お前はゆっくりにしては、理性的なやつらしいからな」 「ぱちぇを褒めてくれて、ありがとう、人間さん!」 驚いた。 『理性的』という言葉を理解し、感謝まで表すとは。 野生の、しかもこんな山奥のゆっくりに、ここまで物を知っている個体がいる。 「どうやら、(笑)じゃないようだな」 「かっこわらい?」 「ああ、流石に分からないか。それより、話を聞かせてくれ」 「・・・ぱちぇの群れは、ドスの群れよ。 ドスのおかげで、皆、ゆっくりしていたの」 この辺りには何度か来たことがあったが、ドスまりさがいるとは知らなかった。 是非お目にかかりたいと思ったが、口にはしない。 「だけど、ゆっくりしているゆっくりの中にも、ゆっくりしていないゆっくりもいたのよ」 「ゲスという奴か。まぁ、世の常だな」 「中でも、みょんとゆゆこの番は、ひどかったわ。 度々人里に下りては、人間さんのお野菜や食べ物を横取りしちゃうの」 「随分と希少なゲスだな」 私はぱちぇの頭を撫でながら、話を聞いていた。 ゆゆこはいわゆる希少種という奴だが、ゆっくりの中で最も食い意地が張っている。 おまけに吸引力の変わらないただひとつの掃除機のように、辺りのものを吸い込んでしまうのだ。 「人間さんは、ゆっくりしていたわ。 ある日、ぱちぇの群れに来て、もうゆゆこを人里に放さないで欲しいって言いに来てくれたの」 「それは、ゆっくりとしているな。悠長とも言えるが。それで、群れはどうしたんだ」 「ドスがゆゆこに注意して、おしまい」 「で、ゆゆこは反省の色もなく、また人里に被害をもたらした、と」 「その通りよ。むきゅぅ・・・」 「だから、駆除に来るのか」 「いえ、人間さんは本当にゆっくりしてくれたわ。ぱちぇ達よりもゆっくりしていたかも。 ゆゆこさえ差し出してくれれば、群れはそのままにしておいてくれる。 そうまで言ってくれたのよ」 役所にしてみれば、群れを一斉駆除するよりも一体の希少種を捕獲する方がいいだろう。 第一、安上がりだ。 「ドスは、何やってたんだ」 「何もしなかったわ。ゆっくりしていれば、ゆゆこもゆっくりしてくれるって」 「他のゆっくり達は?」 「ゆっくりしていたわ。自分達のゆっくりぶりを見れば、ゆゆこもゆっくりしてくれるって」 ゆっくりは、何かを積極的にやることを好まない。 群れによっては、狩りを一生懸命することさえ忌避される。 まぁ、そんな群れは往々にして長持ちしないのだが。 「自分達は何もしない。ゆゆこは野放し。そりゃあ」 「群れを潰されても、文句は言えないわね・・・。でも」 「なあ、ぱちぇ。ひとつ聞いてもいいか?」 「むきゅ?」 「お前は、何やってたんだ」 「ぱちぇは・・・、ドスの仲間に入れてもらえなかったの。 それでも、ゆっくりしてる場合じゃないって、皆に言ってはいたの」 「聞き入れては、もらえなかった?」 「そうよ。分かってくれたのは、ありすとれいむだけ」 それも、たいしたこともないゆっくりだったのだろう。 ぱちぇの沈んだ表情が、それを物語っていた。 こんな顔を見に、ここまで来たのではなかったのだが。 「ぱちぇ。お前は、何で中身を吐いてまで山を降りようとしていたんだ」 「人間さんのところに、行くつもりだったのよ」 「無茶だな。ゲロ袋と呼んで、お前の種を嫌っている人間も多いんだ。 一歩間違えれば、真っ先に潰されるところだぞ」 「それでも、ぱちぇは、じっとしていたくないのよ! だって、群れがなくなるのよ!」 「ぱちぇ、私が子供だった時に流行った言葉を教えてやろう」 「むきゅきゅ?」 「感動的だな、だが無意味だ」 「むきゅっ・・・」 私は饅頭を持ち上げると、顔と顔を近づけた。 「ぱちゅりー。これからあまりゆっくりできないことを言う。 中身を吐かずに、聞くことはできるか?」 「・・・頑張るわ」 「お前は、良い奴だな。でも、1匹だけじゃ何もできないんだ」 「でも、もしかしたら、お兄さんのように分かってくれる人間さんがいるかも」 「そうだな。何だったら私も一緒に行って、説得を試みるのもいい。 そうすれば、取りあえず、明日の駆除はなくなるかもしれない」 「お兄さん」 「だけどな、きっとまた、同じことの繰り返しだ。 そして時間が経つほど、事態は悪くなる。 前回は、ゆゆこの引渡し。今回は群れの駆除」 ぱちゅりーは口を硬く結んだまま、私の話に耐えているようだった。 「恐らく次は、この辺りの群れが全滅させられる。 だんだんと、疑われるんだ。 全てグルになっているか、ゆゆこが異常に繁殖しているか」 「ゆゆこは、ひとつだけだわ」 「だったら、それを引き渡せば良かったんだ。 それで人里の被害が治まれば、少ない予算を費やしてまで駆除しようとはしない」 寒天の瞳が私を見据えた。 まだ意思というものがあるだけに、悲しい眼差しだった。 「お兄さん、ぱちぇはどうすればいいの?」 「手遅れだ。それを理解することだ」 「・・・だったら、ぱちぇは戻る。お兄さんの言った事、群れの皆に伝えるわ」 私は殊勝な饅頭を小脇に抱えると、登った先にあるだろう群れとは反対の方へ歩き出した。 腕に、それなりの力を込めながら。 「お前は、群れには帰さない」 「どうして? お兄さんは、ゆっくりをいじめてゆっくりする人なの?」 「馬鹿野郎。お前を虐めるのは私じゃない。群れのゆっくりだ」 「むきゅっ」 「話を聞いててよく分かった。お前達の群れは、ゆっくりしているだけの群れだ。 目先のゆっくりを大事に思う余り、明日のゆっくりを潰してしまうアホの集まりだ」 「お兄さんの言うことは、よく分かるわ。でも、それがゆっくりって生き物じゃないの?」 「そうでもないさ。賢明な群れは、ちゃんとある。 ゆっくりするためには、そうじゃないこともやらなきゃいけないと肝に銘じている奴らがな」 「ぱちぇの群れは、お馬鹿さんばかりなのね・・・」 「そうだな。きっと群れに帰ったら、お前は無視されるどころか、また傷付けられる」 私は抱え上げた時、ぱちぇのあんよを見てしまった。 明らかに、枝か何かで傷付けられた痕がある。 「その傷、大方ゆっくりできないぱちぇがどうのって、虐められたんだろ」 「むきゅぅ。でも、ちゃんとぱちぇの話を聞いてくれたゆっくりもいたわ」 「聞いていただけだ。 もし本当に分かっていたら、お前と一緒に山を降りていたはずだからな」 咳き込む音と共に、冷たいものが腕にかかった。 歩みは、止まる。 私は吐しゃ物に塗れたぱちゅりーの口を、手で塞いだ。 「ショックなのは分かる。同情もしてやる。だから我慢してろ」 「・・・お兄さん、ぱちぇはどうすれば良かったの?」 「お前はドスの側にいるか、自分が長になるべきだったんだ。 群れを変えるってのは、そういうことなんだよ。 お前位の賢い奴を受け入れなかった時点で、群れの運命は終わっていた」 「むきゅん。だから無意味って言ったのね・・・」 「そうだ。事ここに到って何かをやろうとしても、無駄なんだ。 やるんだったら、もっと前から深いところから、始めなきゃいけなかったんだ。 今更ジタバタしたって、自己満足以外の何ものでもない」 「ごめんなさい、お兄さん」 「謝ることはない。 あの群れは死ぬ。ゆっくりしていただけで、何もしてこなかったためにな。 ぱちゅりー、お前は生きろ。 生きて、今度は長にでもなって、本当にゆっくりとした群れを作ってみるんだ」 私は自嘲する。 何を一生懸命になっているのか、と。 たかが饅頭如きに、何を求めているのだろう。 それに自分は、脳内お花畑なゆっくりが好きでここまで来たのではなかったのか。 「お前は私が、安全なところまで運んでやるよ。それからは、お前が決めろ」 「ゆっくり理解したわ・・・」 「せめてお前くらいに理解できれば、良かったのにな」 私は再び小脇のゆっくりと共に歩き出した。 山を降りたらぱちゅりーを助手席に乗せて、この辺りを抜けよう。 シートベルトはさせるべきなのだろうか? そんな馬鹿馬鹿しいことが何故か浮かんだりした。 麓に近付くと、胸のポケットに入れていた携帯端末が震え出した。 メールでも受信したのだろう。 手頃な倒木があったので、私達は並んで腰をかける。 いや、ぱちぇに腰などない。 頭だけの生き物に、私は水筒のお茶を飲ませつつ、端末を操作した。 ディスプレイに、送られてきた文面が映る。 「ぱちぇ、お前に言いそびれたことがあるんだ」 「なに、お兄さん」 「ゆっくりしているだけで何もしなかったってのは、お前達だけじゃないんだよ」 「むきゅきゅ?」 「人間だって、同じようなものさ。 ゆっくりしていただけの群れが、また消えていくようだ」 画面の文字を、ぱちゅりーに見せてやった。 どのくらい理解できているのか、私には分からない。 文面は、こういう一文から始まっていた。 『稀代の悪法が、あと100時間で可決されます! 是非、反対の署名にご協力下さい!』 (終) 【過去作】 ※ほんの少し未来の話 本作 ふたば系ゆっくりいじめ 906 蟷螂の斧 ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 1124 おひさまさんをつかんでしまった ふたば系ゆっくりいじめ 1059 でか帽子まりしゃと姉まりしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 1055 さげゆん ふたば系ゆっくりいじめ 1019 餡娘ちゃんに花束を ※カオスVS鬼威惨 次回桜が咲く頃までには ふたば系ゆっくりいじめ 947 はげの復活(上) ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※どろわ&ぬえ draw006 「パラダイゆch」 nue079 「素晴らしき世界」 nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 餡娘ちゃんとWIKIあき、感謝。 二行の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 特定秘密保護法案さん・・・ -- 2013-12-02 11 37 47 優秀なぱちぇだ・・・俺なら迷わず飼いゆにしちゃうね。 -- 2011-07-13 23 57 52 稀代の悪法と言われていくつか思い浮かぶって相当だよな -- 2011-01-19 10 15 11 友愛ェ… 必死に反対しても一人ではどうにもならないのが現状なのよ…;; -- 2010-12-24 20 47 09 ゆっくりは人を映す鏡みたいなもんですからねえ… 目先のゆっくりに騙されて冬を迎えてるあたり、バカの群れまんまって事かorz -- 2010-09-03 03 59 06 お前ら・・・友愛されるぞ・・・ -- 2010-08-28 17 54 13 外国人参政権はマジ危険というか、帰還した人のことを混ぜるとあやふやな点があり民主党でもその点をついて論破したツワモノもいるよ -- 2010-08-28 14 32 53 なんという社会派なSSさん… 我々もゆっくりと変わらないのかも知れませんね… 良いもの読ませてもらいました。 -- 2010-07-19 20 05 20 外国人地方参政権さんや人権擁護法案さんかもしれないのぜ 左翼勢力さんはゆっくりできないのぜ。 -- 2010-06-27 22 26 29 稀代の悪法!?児ポ法のことですか?だとしたら許せん。 -- 2010-06-17 04 59 14
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注意!!! HENTAIネタがあります 「ゆっくりいじめ系515 強姦まりさの敗北」の設定をパクっています バッヂ設定有り 虐待成分はちょっとぬるめ 「んほおおぉぉっぉおおぉ!!!! ずっぎり"ー!!!!!」 一匹のみょんがゆっくり特有の嬌声を上げ、すっきり発言をする。言うまでもない、これは交尾で「すっきりー」した合図だ。 交尾の相手なのであろうまりさは嬌声も上げずにニヤニヤと気色悪い笑顔でみょんを見つめる。 本来であればみょんは「すっきりー」して「しあわせー」な訳だが、なぜか泣きながら「すっきりー」宣言をした。 そして、「すっきりー」出来なくて不満であるはずのまりさは薄ら笑いをやめない。 その交尾の様子を見ていた人間達。ある者はまりさのように神経を逆なでするニヤけ面になり、またある者はみょんのように泣きそうな顔になっている。 ここはゆっくりの闘技場。だが、殺し合いを行う闘技場ではない。 ゆっくり達は互いの性テクニックを競い合い、人間は勝ち負けに金を賭ける場所。「性淫徒(セイント)ゆっくり闘技場」なのだ。 みょんの飼い主である青年はみょんを抱きかかえその場を後にする。一方、まりさの飼い主は次の対戦相手を見ようと観客席に移動する。 次の対戦はゆっくりまりさとゆっくりぱちゅりーだ。 互いの飼い主がリングにゆっくりを乗せ、リングから離れる。 「んほおおぉぉぉおおぉぉぉ!!!! すっきりーーーーー♪」 結果はぱちゅりーの圧勝だった。 『おおっとぉ!!! まりさ選手為す術もなくまたもやすっきりー宣言してしまったああぁぁぁ!!!!! 根性無いぞまりさぁ!! 2ポイントあっという間にとられてしまったぁぁぁ!!! やはりブロンズバッヂではゴールドバッヂには勝てないのかぁぁぁ!!? こんな醜態晒したら飼い主も大恥かいてるぞぉおお!!!』 司会の男はここぞとばかりにまくし立てる。 アホ面を晒すまりさの帽子には金で買えるブロンズバッヂ。このだらしないまりさを見れば、野生のまりさを急遽飼いゆっくりとしたことが伺える。 呆れたとでも言わんがばかりの表情のぱちゅりーにはゴールドバッヂ。厳しい審査を受け、手にしたバッヂはこのぱちゅりーの飼い主が一生懸命ぱちゅりーを教育したことを表している。 クソッ! さっきのれいむといい、今のまりさといい全くの役立たずじゃねーか!! 何が「すっきりーならじしんがあるんだぜ!」だ! あの役立たず共め!! 帰ったらぶっ殺してやる!!! 俺はこのどす黒い感情を相手と馬鹿面のまりさに悟られないよう笑顔でまりさを迎えに行く。 「ゆっ! おじさん! まりさはいっぱいすっきりー! したんだぜ」 くっ! ぶっ潰してぇ・・・!!! だがここで殺すのはまずい。俺はまりさを抱え上げ、対戦相手のぱちゅりーの飼い主の男に会釈し、その場から立ち去る。 入り口の預かり場所に行き、預かって貰ってた荷車とゆっくり一家捕獲用の透明な箱に収納されたれいむを受け取り、会場を後にした 会場からある程度離れた頃に箱のふたを開け、まりさを投げ込む。 「ゆぎゅべっ!!!」 あ、ちょっと餡子吐いてら。 まりさは苦しみ、れいむはずっと抗議している。ふたを閉め、俺はそんなアホどもはカレーにルーして歩き続ける。 この二匹は昨日家族で留守中に俺の家に侵入した不届き物だ。ドア締めとくべきだったよ全く・・・ 「ゆゆ! ここはれいむたちのおうちだよ!!! ゆっk(ry」 「うっせえええぇぇぇええぇ!!! 糞饅頭があぁぁぁ!!!(ぐちゃっ!)」 「れ゛いう゛のあがちゃんがあぁぁぁああ!!! ぎゅべっ!!」 「まrぐぎゃっ!!!!」 「てめえらはただでは死なせてやらねえ!!! たっぷり苦しめて殺してやる!!!」 「お兄ざんごべんなざい!! 何でもずるがらだずげでえぇぇぇええ!!!」 「きくみみもたn・・・いや、チャンスをやろう。明日の「性淫徒ゆっくり闘技場」に出てベスト4入りできたら助けてやる」 (んで、内容を説明してやった) 「ゆっ! それなら楽勝だよ!! れいむは群れで一番すっきりーがうまいんだよ!!! れいむのまむまむに骨抜きにならないゆっくりなんていないんだよ!!!」 「まりさもすっきりーならじしんがあるんだぜ! まりさのぺにぺにはさいこうなんだぜ!!!」 とまあ、こんな事が昨日あってな、何となく買っていたブロンズバッヂを付けてやって、参加登録をしてやったわけだ。 結果は言わずもがな、共に一回戦瞬殺負け。 正直、俺も二匹もいればどっちかはベスト4入りするんじゃないかなあ・・・って考えてたけど甘かった。 こいつらの群れでは大したテクニシャンだったかも知れないけど、鍛えられた飼いゆっくりからすればゴミみたいなモンなんだなぁ・・・。 はあ、とため息をついてる間に家に着いた。二匹はすやすやと安らかに寝ていたので、 ふたを開ける(がたっ) 殴る「ゆぎっ!!」「ぎゅぺっ!!!」 「な"にずるn」 ふたを閉める(がたっ) いやー、生意気なゆっくりをぶん殴るのって気持ちが良いなぁ♪ さて、こいつらこれからどうやって殺そうかなって・・・あれ? どうやら鍵をかけ忘れたようだ。参ったね。まあ、取っ手は丸形だからゆっくりごときには開けられないでしょ。 俺は家に入り、居間にクズ二匹を箱ごと放置し、水を飲にみ台所に向かう。 俺が台所に着くとそこには「ゆっくりてんこー」こと「ゆっくりらん」(以下らん)がいた。そしてらんの目の前には食べかけの人参が・・・ 「この糞饅頭があああぁぁぁ!!!」俺は怒りにまかせて殴り潰しに掛かる。 が、らんは後ろに飛び退き、逆に俺に体当たりを仕掛けてきた。 「こーーーーーん!!!!」 そして俺はらんの体当たりを正面から顔面に受け、よろめいた。 (ぷにぷにしてちょっと気持ちいいかも) 攻撃に成功したらんはそのまま勢いに乗って人参を咥え、突進してきた。人参が武器ってどうよ? 微妙過ぎね? 「ぎゅべらっ!!!!」 まあ、そのまま突進なんかしたら蹴りのカウンター喰らう事になるんだけど、餡子脳には予測できないか。 「さてと」俺はらんを左手で持ち上げ、右手で殴る。「ぎゃっ!」殴る「ぶゅぶっ!」殴る「ぴぎぃっ!「らんじゃまああぁぁぁ!!」」 殴っているとちぇんが現れた。 俺は半殺し状態のらんを流し台の上に乗せ、ちぇんに向き直る 「よぐも"ら"んじゃまを!ゆ"っぐり"でぎなぐじでやる"う"!!!」 ちぇんは俺に体当たりを仕掛けるが、らんの二の舞となった。 「ぎゅべっ!! わがらないよおぉぉぉおおぉぉ!!!」ちぇんを持ち上げる。 しかし「ゆ"っ!!」本当に「ぎゅべっ!」不思議だよなー「ぶびゅっ!!」人間に勝てないって分からないのかなぁ「ぷぎゅる!!!」 「もうやべでぐだざいいいい!!!!」 ちぇんを殴り続ける俺にらんが泣いて懇願した。 「ごべんなざい"ぃぃ! らんをぶっでもいいでずがらぢぇんをはなじであげでぐだざいいいぃぃいい!!!」 「えー、やだ」即答 「なんでぼじばずからおねがいじばずううぅぅうう!!!」 んー、あ、そうだ良いこと思いついた。 「何匹で来たんだ?」「ぶだりでぎましだ!!!!」「嘘つき嫌い」「ほんどおでず!!!らんがぢぇんをむりにざぞっでぎだんでず!!!」 たぶん本当だろう。「らんがちぇんを連れてきた」というのはたぶんちぇんを守るためについた嘘だろうけど。そんなのはどーでもいいや 「そういやおまえらどうやって入ってきたんだ?」「じっぼをづがってはいりまじだ!!!」 へえ、このおいなりさん使うことが出来るんだ。後で見してもらおっと。 俺は意識不明となったちぇんを叩き起こし、らんと一緒に居間に運ぶ。 その間、らんはちぇんを気遣って「だいじょうぶ?」とか「らんがきっとたすけるよ!」とか言ってた。 死にかけなのにがんばるねぇ 「おい、糞饅頭共!」 らんとちぇんはびくりと反応する。どちらも怯えた表情で俺を見上げる。この表情たまんねえなぁ・・・ 「どっちかがあの二匹を始末しろ」 俺は透明な箱で眠りに就いているゴミ饅頭二体を指さす。ってか、また寝てんのかよ・・・ 「らんがいくよ・・・」怯えるちぇんを気遣ってのことだろうな 丁度良い処刑方法だ。役立たずのゴミが勝つか、それとも死に損ないが勝つか どっちが勝ってもみんな死んで真っ平らになるんだけどねー♪ 「らん、あの二匹を起こしてこい。一応ルールを説明してやるから、まあそのまま殺しちゃっても構わないけど」 と言って、透明な箱にらんを入れる。 「おきろ」体当たりをしてらんは二匹を起こした。へえ、結構従順だねこいつ。 (ルールを説明した。ルールと言っても殺し合いに勝った方を生かしてやるっていうだけだが) らんは善戦したが、もともとさっきの暴行で死にかけている体だったからすぐに逆転された。 何度も体当たりをされる。しかし、突然体当たりをやめた。 「ゆっ! よくみたらばかちぇんとばからんだよ!!!」 「そうだぜ! いつもいじめてたばかふたりぐみなんだぜ!!」 ん?どうやら知り合いらしいな 「知り合いか?」 「そうだよ! おなじむれにいたあたまがわるくてやくにたたないちぇんとちぇんをいじめてるとじゃましてくるばかならんだよ!」 「ばかにごはんはいらないからまりさたちがいつもごはんをもらってあげたんだぜ!!! むれのにんきもののまりさたちがみんなにいって こいつらをゆっくりできないようにいじめてやってたんだぜ!!!」 平仮名ばかりだと読み辛いなー。全く 要するにこいつらのせいでらんとちぇんは群れでいじめられてたわけなんだな。 まあ、そこはどうでもいいけど。 「ゆっへっへ、いつもちぇんをいじめるとじゃましてくれたおれいにいきたままたべてあげるんだぜ!」 「ゆっ! れいむたちにたべてもらえるんだからかんしゃしてよね!!!」 そう言ってらんを食べ始める二匹。顔を、尻尾をばくばくと食べる。食い破られた皮から餡子が流れ出る。 こりゃ死んだかな? と思っていたら、ちぇんが俺の手の中で暴れだした 「らんしゃまああぁぁあぁぁ!!! わがるよおおおお!!! いまだずげにいぐよおおぉぉぉおお!!! はなじでおにいざんんん!!!!」 二匹は無視してらんの尻尾を貪る。尻尾がのこり三本となった頃に、 「れいむ! らんですっきりしようなんだぜ!」 「ゆっ! そうだねらんのまむまむですっきりしてからたべようね!!!」 なんとも勝手なことを言う饅頭共だなぁ、ちぇんは相変わらず暴れてる。 鬱陶しいなぁ、さっきまで死にかけだったくせになんでこんなに暴れるんだろう・・・ ふと思った。「これは使えるかも!」 何がどう使えるのかは考えない。とりあえず、レイプされそうになってるらんを助ける。 んで、昨日のひっつみの残りを使って応急処置。 ゴミ饅頭二匹はなんか抗議しているけど無視無視。 餡子を食わせてオレンジジュースを飲ませるとらんは「ちぇん・・・」と呟いた。 ちぇんは「ら"んじゃまあああぁああぁぁぁ! ぢぇんはごごにいるよおおおぉぉぉぉおお! わがっでねえぇぇえ!」と叫ぶ。 らんは「おにいさん・・・かてなくてごめんなさい・・・らんはころしてもいいから・・・ちぇんをたすけてください・・・」 約束では「勝てなかった=二匹とも殺す」のはずだけど、こいつはそれを承知の上でこんな事言ってんのかね まあいいやどうせ勝っても負けても殺すつもりだったから約束なんてなかった事にしよっと。 「いや、お前ら二匹とも助けてやるよ」 二匹とも一瞬だけ驚愕の表情で固まり、すぐに頭の上に「?」マークでも乗っけていそうな表情をした。 「二匹とも」まで聞いて二匹とも殺されると勘違いして、その後「助けてやる」って聞いて状況を把握できなくなったって所だなきっと。 つづけていい? 今度はドスまりさとか出さずに「ゆっくりいじめ系515 強姦まりさの敗北」に出てきた闘技場(性)をネタにSSを作ろうとしたら、 冒頭に出ただけじゃねーかよ。何やってんだよ俺・・・ ちぇんとらんってかわいいよね。「ちぇ、ちぇえええええええええええええええん!!」「らんしゃまあああああああああああああぁ!!」 是非とも拳で可愛がりたいですね。 HENTAIネタは大好きですが、やりすぎて引かれることのないようにしたいと思います。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1〜3 このSSに感想を付ける
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ユグルイ その4 16KB ※俺設定 ※東方オリジナルの設定をほとんど無視します ※某マンガのパクリ ※基本的には、長編になりそうなので、 数回に分けて、UPします。 ※人間が出ます ※人間がゆっくりに仕えています ※人間が非常に強すぎます 基本的には、原作無視です ※段々、シ○グイと離れてきた ※作者は低学歴なので、日本語がおかしいです ゆとり乙と罵ってください ※思ったより、進展しません。 ホントは4話くらいで終わらせるつもりが、やっと序盤が終わったくらい。。。 つか、これからやっと作者のやりたかったことが出来ます・・・。 ※あと、あまあまさんちょうだいね!!!! それでもいい人は読んでください。 ユグルイ その4 ゆっくり道は死狂ひなり。一匹の殺害を数十人して仕かぬるもの。 (ゆっくり道は死に狂いである。一匹を殺すのに数十人がかりでかなわないこともある。) 「ゆぅ・・・?ここは・・・どこ・・・?」 飾りのないれいむが目を覚ましたら、そこにはたくさんのゆっくりたちがいた。 確か、さっきまで、ゆっくりできない人間が、ゆっくりたちを襲ってきたはずなんだが・・・。 ドスまりさたちが、ドススパークを撃ち放った後、 なぜか、人間は銀色の骸骨になっていた・・・。 そこまでは覚えている。 しかし、そこから先が全く覚えていない。 気を失っていたのかもしれない。 いや、そうではない。 恐らく、ここは・・・。 あの世じゃないのか・・・!? あんなゆっくり出来ない人間と出会って、自分が生きているはずがない。 れいむは、そう思っていた。 あたりを見渡すと・・・。周りに黒や黄色や白といったあまあまが、 たくさんあるんだけど・・・。これは一体なんだ? れいむは一瞬だけ、都合のいいことを考えた。 もしかして、ここは天国というところか??? いや、違う。なぜなら・・・。 「ゆゆぁぁぁぁああああんん!!!! おきゃあしゃんどきょぉおおぉお!!!」 「ばでぃざぁっぁああああああ!!! どぼじでごんなずがだにぃいいぃいい!!!!」 「ゆわぁぁあっぁああああ!!!!みんながじんでるぅううう!!!!」 あまあまの周りには、沢山のゆっくりの死体。 れいむは、やっと気が付いた。 そうだ。れいむたちはゆっくり道を学びにきて、なぜか人間に襲われた。 そして、かろうじて生き延びたのだ。 1時間、人間から逃げ切れというその試練から・・・。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 そこには満身創痍の傷とあまあまに塗れたゆっくりたちがいた。 しかし、一部のゆっくりたちは、 「♪ゆゆゆ~ゆっくりしていってねぇ~ゆゆゆのゆ~」 「おきゃあしゃん、おうたじょうじゅだにぇ!!!」 「ゆっ!!ここはれいむたちのゆっくりぷれいすにするよ!!!」 「ゆふぅ~!!!ゆっくりできるんだぜぇ~!!!」 「なかなかとかいはなゆっくりぷれいすね!!!」 「ゆゆっ!!!じめんにあまあまさんがおちてるよぉ!!!」 「む~しゃむ~しゃ、しあわせぇー!!!!」 と呑気なことを言っているゆっくりたちがいた。 さっきまで、修羅場だったはずの部屋に似つかわしくない光景だ。 「う・・・うる・・・さい・・・しずかにし・・・ろ・・・」 と、まりさが浮かれているゆっくりたちに息も絶え絶えに叫んだ。 「ゆゆゆっ!!!なにをいってるの?ばかなの?しぬの?」 「ここはれいむのゆっくりぷれいすなんだよ!!! ゆっくりできないまりさはゆっくりしね!!!!」 「ゆっくちちね!!! と、喧嘩腰のれいむとその子供たち。 「お・・おま・・・え・・ら・・・き・・・は・・・たし・・・か・・・か?」 まりさが聞き返した。 「ゆぅ?なにをいってるのばかな」 「にんげんさんにひどいことされたのをおぼえていないの・・・?」 生き残ったぱちゅりーが、れいむの言葉をさえぎった。 「・・・」 「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・」 「ゆっぁあっぁぁぁっぁぁああああぁぁぁあああああああ!!!!」 「どぼぢでごんなごどになっでるのぉおおおおぉおお!!!!」 「ゆんやあっぁあああああああ!!!!ゆっくちできないぃいいい!!!」 「ゆぴぃいいいいいい!!!!!もうやじゃぁあああ!!!おうちがえるぅうう!!! 「ゆびぃいい!!!!こわいよぉおおおおぉおお!!!!」 「ごんなのどがいばじゃないわぁああああ!!!!」 と、先ほどのゆっくりっぷりが嘘だったかのように、 あの恐怖を思い出し、急に叫びだすゆっくりたち。 あまりの出来事に、ゆっくり特有の嫌な出来事を記憶から消去するという本能が働き、 さっきまで、かつてないほどの惨劇があった部屋を自分たちのゆっくりぷれいすだと、 言い出す楽観的な言動を取っていたゆっくりを見た生き残ったゆっくりは、 例えようもないくらい呆れていた。 「ゆげぇええええええ!!!!ごめんなじゃいぃいい!!!」 「でいぶばあんござんをだべじゃっだぁあああ!!!ゆっぐりのあんござんをだべじゃっだぁぁああ!!!」 彼らがあまあまだと勧んで、食べていたのは、当然、死んだゆっくりの中身。 それを気づいたゆっくりたちは、無理矢理吐き出そうとした・・・。 「ご静粛に・・・」 そこには、ありすがいた。 あの入門手続きの際にいたありす。 自分たちが部屋から出ようとしたら、何かをして、ゆっくりを殺した悪いありすが・・・。 「ごのうらぎりものぉおおお!!!!どぼぢでにんげんざんのみがだをずるのぉおおお!!!」 あるれいむが叫んでいた。 それを皮切りに・・・。 「じねぇえええ!!!れいばーばじねぇえええ!!!!」 「ゆっぐりでぎないありずばじねぇえええ!!!!!」 など、ありすに対して、批難の声が止まらなかった・・・。 ありすは、ただずっと無表情で黙っていただけだった。 それを良い事に・・・。 「あまあまをもってごいぃいい!!!このうらぎりものぉお!!!」 「おまえなんかとはいじゃないわぁあああ!!!!このいなかものぉおお!!!」 「ぜーざいじでやるぅううう!!!ごろじでやるぅうう!!!」 「だまっでないであやまれぇええええ!!!!」 「びびっでるんだねぇえええ!!!!このゆっぐりごろじ!!!!わがるよぉおおお!!!」 「なにかいえよぉおおお!!!このげすぅ!!!!!」 「どぼぢでごんなごどじだのぉおおお!!!でいぶばゆっぐりじだがっただげなのにぃいい!!!」 何度も何度もありすを批難する。 しばらくして、批難していたゆっくりたちも落ち着いたのだろうか・・・。 次第に口を塞ぎだした・・・。 「言いたいことはそれだけか?」 今まで黙っていたありすが口を開いた。 「私は最初になんて言ったか覚えているか? 強さを得るために、自身の命すら惜しまないという覚悟があるかと・・・ そして、覚悟していないのなら、やめた方がいいとも言った。 誰が無理強いをした?誰が進んで入門した? みんな、お前らの意思でここに来たんだろ?強くなりたいって・・・。 そりゃぁ・・・。まさかこうなるとは思っていなかった・・・。 って思いたくなる気持ちもわかる・・・。 でも、覚悟はしてたんだろ?覚悟の程度に、それぞれ大小はあるとは思うが・・・。 死んでもいいと言葉に出したよな。入門手続きの時に・・・。 あれは嘘だったのか??? あと、誰かが逃げようとしていた時に言っていたな。やりすぎだと。 何を持って、やりすぎだと言うんだ? ゆっくり道を学ぶには、あれくらいの人間の攻撃から生き延びなければ、 まず無理だ。そういうことを知らなかったとしてもだ・・・。 死んでもいいといっておきながら、実際に死にそうになったら、 やりすぎだと・・!? つまり、あれか?死んでもいいというのは言葉のあやで、 実際には死ぬことなんかない。とりあえず、ゆっくり道を学べばゆっくりできる。 修行とかどんなものか、よくわからないけど、 自分はゆっくりだ。ゆっくりしていればいいよ・・・。 そうすれば勝手に強くなれるよ!!!! と、でも思っていたのか? じゃあ、この中で、入門手続きの時に、一匹でもいい・・・。 修行ってどんなことをするの??? って聞いたゆっくりはいるか??? いるわけないよなぁ・・・。お前ら、みんなの声を録音して保存しているけど、 お前らの中で一匹たりとも、そういう質問を聞いているヤツはいないぞ・・・。 だから、こちらもどういう修行内容か教えなかった。 だって、死んでもいいって言ってから、それくらいの覚悟はあると思っているものだと、 こちらは認識している。そんなやつに今更説明する必要があるか? 勝手にお前らがゆっくり道のことを解釈して、 勝手にお前らが私を一方的に悪いとか言っているが・・・。 失笑するしかないな・・・。お前らのおめでたい頭の悪さにな・・・。」 「なにをわげののわがらないごどをいっでるのぉおおお!!! でいぶばゆっぐりじだいんだよぉおおお!!! ばがなのぉおおお!!!じぬのぉおお!!! もうがまんでぎないぃいい!!! ゆっぐりでぎないぃいありずばじねぇええええ!!!!!」 れいむの怒りは抑えきれず、ありすに体当たりを仕掛けたが・・・。 次の瞬間、 バビュン!!!! れいむの体が爆発し、辺り一面に四散した・・・。 「・・・。カスが・・・。」 他のゆっくりたちは、何が起きたのかわからなかった。 ただ、この光景は・・・。 さっき見た。あの惨劇が始まる前に見た。 先生と言われる髪もないゆっくりできないゆっくりが、 まりさに何かした時と一緒だ・・・。 あの時は、初めて見る光景に恐怖のあまり、叫ぶゆっくりたちだったが・・・。 今回は違う・・・。 みな、顔が真っ青になり、誰もが言葉を発せられなかった。 あのゆっくり出来ない出来事がこれからまた始まるのではないかと思うと・・・。 逃げようとしても、逃げ切れず、殺されて、 苦痛の叫び声を上げて死んでいくゆっくりたちを思い出した・・・。 それを思うと、恐怖で体がすくみあがり、 逃げたくても逃げられないと体が知っていて、逃げさせない。 怖さのあまり、叫んで、我を忘れたいと思っていても、 その結果、現在に至るわけで、何をしても、どこに行っても、 目の前にある絶対的な死の存在に、身動きが取れなくなった・・・。 「まあ、お前らは生き残った。 先生の言われるとおり、運がないヤツは鍛えたところで、どうせ死ぬ。 そういう面では、お前らは合格だ。 そこだけは認めてやる。 だが、高弟に逆らうとどうなるか・・・。 今のでわかったな・・・。お前ら・・・。」 ゆっくりたちは、声を上げることができなくなっていた。 いつもなら、口うるさく、 「ゆんやあああああ!!!」 「おうちかえるぅううぅうう!!!!」 「ゆっくりできないぃいいいい!!!!」 なんて、叫ぶのが本能となっていたが・・・。 ゆっくりたちもその本能に逆らうかのように、 黙るしかなかった・・・。 ~~~~~~~~~~ それから、数日後・・・。 ゆがん先生と言われるゆっくりらしきゆっくりと、 入門式で逃げる邪魔をした、自らを高弟と名乗ったありすが、 あの地獄のような入門式を生き残った一同の前に現れた。 飾りのないれいむも、そこにはいた。 全員、この先生やありすに対しては、得体も知れない恐怖を抱いている。 次は一体どんなことをされるのだろう。 そういう感覚に囚われているといった方が正しい。 いや、それよりも・・・。 この数日間、あれから何もされなかったという不安の方が大きい。 数日前、ありすに逆らったれいむを、ありすが殺した後、 「しばらく、ゆっくりしてろ。」 という言葉を最後にして、 出て行ってから、乾燥したおいしくないゆっくりフードを1日に1回だけ、 部屋にバラ撒きにきて、無言で立ち去っていった。 だが、いつ、このありすが何を言い出すのかわからない、そんな雰囲気が毎日続き、 みな、精神的に限界を迎えていた。 「こんなゆっくりできないばしょからにげるよ!!!おちびちゃんたちぃ!!」 「ゆっくちちないではやきゅかえりゅよぉ!!!」 「れいみゅはおうちにかえりゅよぉおお!!!」 と出ていたれいむ親子が、しばらくすると、 焼かれてジリジリとなった髪、抉られて空洞になった眼、 歯と舌を抜かれ、まともに言葉を発することができない口、 剥がれて餡子丸出しになった姿で帰ってきた。 しかも・・・。 「「「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」」」 そんな姿になりながら・・・。生きていたのだ。 みな、その姿を見て、逃げることはもう無理なんだと悟った。 その結果・・・。 「ぱぴぷぺぽぉおぉお!!!ぱぴぷぺぽぉおぉお!!!」 「ゆへぇへぇぇ・・・ゆへぇええぇえ・・・ゆへへぇ・・・」 「んんほぉおおお・・・・んんんほぉおおおお・・・・」 目が虚ろになり、毎日、ゆっくり出来ない言葉を発するゆっくりが増えてきた。 そして、今、先生とありすの前に集まっているゆっくりたちで、 まともなゆっくりは、入門式を生き残ったゆっくりたちの4割しかいなかった・・・。 相変わらず、ゆがん先生は、 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 と、喘いでおり、視点もどこを見ているのかわからなく、 どう見ても、ゆっくりできていなかった。 「先生、本日の稽古は何に致しますか・・・」 と、ありすが先生に問う。 「ツ・・・バキ・・・マ・・・イ」 「椿舞ですね。」 椿舞!? 何だそれは? 飾りのないれいむは、疑問に思った。 だが、次の瞬間、そんな疑問はどうでもよくなった。 「これから、お前らを燃やす。」 ありすの言葉を聞いた瞬間・・・。 「どぼぢでぞんなごどいうのぉおおおぉおおお!!!!!」 「ゆんやああぁあああああああ!!!きょわいよぉおおぉおおお!!!!」 「ぞんなごどするどじんじゃうでじょぉおおぉおお!!!」 「なにぞれぇええぇえええええええええ!!!!」 「ごごはゆっぐりでぎないぃいいいい!!!!」 「もうやじゃぁあああ!!!!おうちがえるぅううううぅうう!!!!」 「ぞんなごどでぎるわげないでじょぉおおおおお!!!ごのいながものぉおお!!!」 と口々に叫ぶゆっくりたち。 今まで我慢していた恐怖と得体も知れない不安が開放された瞬間、 抑制されていた現実逃避のために絶叫するという本能に従った。 「お前らの意見など、知らん。」 と無表情で言うありす。 『では、始めるとするか・・・。』 と・・・。 どこかで聞いたことある声が後ろから聞こえた・・・。 振り返ると・・・。 そこには、師範代と言われる人間がいた。 しかし、銀色の肌に眼から赤い光を発する骸骨の姿ではなく、 どこから見ても普通の人間の姿だった・・・。 「どぼぢでにんげんざんがいるのぉおおおお!!!」 「おにいざんばじんだばずでじょぉおおお!!!!!」 「ゆんやぁあああ!!!ゆっくりできなぃいぃいい!!!」 だが、そこにいたのは、師範代だけではなかった。 人間が沢山いたのだ。 ゆっくりには数え切れないほどの人間たちが・・・。 みな、嬉々とした表情で、バケツに水を沢山入れて、 待ち構えていた。 『ヒャハアァアアア!!!!!虐待だぁあああ!!!!!』 『汚物は消毒だぁあああぁああ!!!!』 『スーパー焼却タイムゥゥウウ!!!始まるよぉお!!!!』 と、人間たちは叫びながら、一斉に、バケツの水をゆっくりたちに、 駆け出した。 「ゆべええぇえ!!!」 「ゆぎゃぁああ!!」 「なにこれぇえええ!!!!」 「ゆちゅぁあああ!!ちゅべたいぃいいい!!!」 「ゆんやああぁああ!!!くちゃいっぃいいい!!!」 「やべぇてぇええ!!!みずさんをかけないでぇええ!!!」 その水は、冷たく、そして、臭かった。 今まで嗅いだこともないような匂い。 この人間たちは何がしたいのかさっぱりわからない 飾りのないれいむ。 燃やすと言いつつ、水をかける!? 意味が分からない。 ただ、これだけはわかる。 絶対にゆっくりできないのだということ。 師範代が口を開いた。 『これは油だ。水ではない。そして・・・。 これに火をつけたら・・・勢いよく燃える・・・。 当然、油塗れのお前らも・・・勢いよく・・・。』 「ゆびぃいいい!!!しにたくないよぉおおお!!!」 「どぼぢでごんなごどずるのぉおおおぉお!!!!」 「にんげんざんんん!!!だずげでぐだざいぃいい!!!」 「ごめんなざいぃいいい!!!ゆるじでぐだざいぃいい!!」 「じにだぐないぃいいい!!!じにだぐないぃいいい!!!」 「もやざないでぇえええ!!!にんげんざんん!!!」 「ごめんなじゃいぃいいいい!!!あやまりまずがらぁああ!!!」 「だずげでっぇええ!!なんでもじまずがらぁああ!!!!」 必死に命乞いをするゆっくりたち。 『よし!!!!!!!助けてやろう!!!!』 と笑顔で笑いながら、師範代はゆっくりたちの願いを受け入れた。 「やったぁあああ!!!たすかったよぉおお!!!!」 「ゆわぁあんん!!!きょわかったよぉおおお!!!!」 「ゆんやぁあああ!!!!ゆっくりできるよぉお!!!」 「たすかったんだねぇえええ!!!わかるよぉおおお!!!!」 「にんげんざんはとはいはねぇええええ!!!!たすけてくれるなんてぇえええ!!!!」 「ゆっくりできるよぉおお!!!これでゆっくりできるよぉおお!!!!」 「ひさんはこわよぉおおお!!!!もえたくないよぉおお!!!!!」 それぞれに助かったことに対して、安堵したのか、 生き残った喜びに笑顔のゆっくりたち。 だが・・・。 飾りのないれいむは思った。 ない・・・。 絶対にない・・・。 こんなことは絶対にない。 ここまでやっておいて・・・。 助ける!? この人間が言うことは・・・。 絶対にないっ!!!! 『と・・・でもいうと思ったか?』 「「「「ゆっ!?」」」」 さっきまで笑顔だった表情は、一瞬にして、硬直した。 何を言っているっ!? さっき助けるって言ったじゃないかっ!? この人間さんが言っていることはわからないっ!? 助かるはずだっ!?常識的に考えてっ!! だって、助けるって言ったっ!!! だから助かるはずだっ!!! バカなっ!!!何を言っているんだっ!!!この人間さんはっ!!! 『お前らは椿のように艶やかに燃え咲き、椿のように無惨に燃え散るのだぁぁあああ!!!!』 と、言うと同時に、いつの間にか手に持っていた、マッチに火をつけ、 床に向けて、ゆっくりと放り投げた・・・・。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆっぅううう!!!!!!!!!」 その場にいるゆっくりたちは、放物線上に落ちていくマッチの火を、 その軌道を追うように視線を動かしていた。 それは一瞬の出来事だったが、ゆっくりたちにとっては、 とてつもなくゆっくりに見えた・・・。 自分たちが助かったはずと思っていた恐怖が実現へと向かう様が・・・。 マッチの火が地面に付きそう担った瞬間、とあるまりさが・・・。 「ひさんんんんん!!!!ゆっくりしていってねぇええええええええええええ!!!!!!!!」 と、半狂乱・・・というより、 狂い出す寸前のまりさが、自身のゆん生で一番大きな声だと思われるくらいの叫び声が部屋中に鳴り響いた・・・。 その叫び声に答えるかのように・・・・。 『火さん!!!ゆっくりしていってね!!!』 師範代は、口を三日月上に開き、口から歯が見えるくらい笑っていた・・・・。 つづく あとがき やっと、本格的なゆっくり道の稽古(虐待?)に辿り着きました。 日夜、ゆっくり道の稽古の内容を考えていて、ストーリーが先に進みませぬ。 他の作品 ふたば系ゆっくりいじめ 149 鞭打 ふたば系ゆっくりいじめ 155 糞饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 159 ユグルイ その1 ふたば系ゆっくりいじめ 162 ユグルイ その2 ふたば系ゆっくりいじめ 168 ユグルイ その3 ふたば系ゆっくりいじめ 169 ゲス愛で派 ゲス愛で派 について 思ったより、お兄さんの反響がよいことにびっくりです。 ユグルイあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1162 臭いつき/コメントログ」 ユンギャー・シシュテマが欲しいな。 -- 2010-12-23 22 21 58 ユンギャーシシュテマwwwwwwwww -- 2011-05-14 21 50 48 この助手最低だな、試験用を虐待して楽しむとか はっきり言って仕事場のデスクをぼこぼこにして楽しんでるバカと同じか それ以下の価値しかない人間だ さっさと解雇されてNEETにでもなれよクズ助手 -- 2011-09-16 16 37 10 ↓売れる商品作ってるのにか? -- 2011-11-02 05 26 34 ユーンギャー・シシュテマー♪ -- 2012-04-06 19 32 51
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『崩壊はある日突然に』 「はぁ……はぁ……はぁ……」 一人の少女が暗い下水道の中を歩いている。 否、それは少女ではなかった。 人間と同じように四肢を持ち服を着ていたが、その顔はどことなく下膨れでアンバランス。 青い長髪、黒い帽子に桃の実を乗せた、そう、胴付きゆっくりてんこである。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 胴付きでしかもてんこ。 希少種中の希少種であるが、その帽子には煌びやかな金バッチも付いている。 どうやら誰かの飼いゆっくりのようだ。 そんな希少種で金バッチ持ちのてんこが何でこんな薄汚く、暗い下水道にいるのか? やがててんこは足を止め、壁にもたれかかってその場に座り込む。 「はぁ……。……ぐすっ……ゆ……ゆえええええぇぇぇ……おにーさん……おにーさん……」 膝を抱え涙を流して静かに泣く姿は、その手のお兄さんが見ようものならば問答無用でお持ち帰りされてしまうくらいの破壊力だ。 では何故、てんこは泣いているか?しかもこんな場所で。一人で。 事の発端はその日のお昼に遡る――― 私はてんこ! おにーさんのお家で暮らす胴付きゆっくりよ! おにーさんは私の飼い主さんでとっても優しいの! 毎日美味しいご飯さんを作ってくれるし、一緒に遊んでくれるし、てんこが寝るときは一緒に添い寝もしてくれるのよ! 私が生まれたのは街のペットショップ。 どうしてか分らないけど、人間さんはみんなわたしの事を『希少種ゆっくり』って呼ぶの。 おにーさんが教えてくれたけど、『希少種』っていうのは『珍しい』ってことみたい。 だからお店でも外から見える窓ガラスさんの近くの、透明の箱の中に入れられていたわ。 お店の前を通りかかる人は私を見て何か言ってくれたりしてたけど……私の透明の箱についていた数字さんを見たとたん残念そうな顔をしてどっか行っちゃうの……。 だからわたしはいつも一人ぼっちだった。 お店の別の場所に居る同じバッチを持ったれいむやまりさ達はわりと早く人間さんと一緒に出て行っちゃう。 あ、まとめて一緒にいる小さい子達は一日おきに新しい子と入れ替わっていたわ。 小さい子が入った箱には『赤ゆっくり袋詰め放題!500円!』なんて書かれていたけど……。 ご飯さんも美味しい。 すーやすーやもたくさんできる。 おもちゃもある。 でも、一人でいるのはつまらない……。 そんな毎日から私を助けてくれたのがおにーさん。 おにーさんも何度か私を窓越しに見てくれたけど、他の人間さんみたいに諦めたようなお顔はしないで、優しいお顔でいつも私を見ていてくれた。 それで始めておにーさんのお手てに触れた時、私はとても暖かい気持ちになったの。 その後、私はおにーさんのお家で飼われる事になった。 おにーさんはとっっっっっとても優しくて 『てんこは僕の家族だからずっと一緒にゆっくりしようね』 って言ってくれた。 ああ!わたしおにーさんが大好き! 知り合いのありすは 「てんこも大人になったのね!でも、都会派なレディなら『けっこんっ』のすっきりーは駄目よ?」 最近飼い主さんの許可を得て、『にんっしんっ』した大きなお腹を見せながらなんて言ってきた! ぷんぷん! てんこそんなことしないわっ! それにおにーさんにまだ告白だって……じゃなくて、てんこはおにーさんの家族で『飼いゆっくり』なんだから、そこらへんをしっかりわきまえないといけないと思うのよ! ―――でも、おにーさんは大好き。 そんなことを考えながら今日もお昼のお散歩。 飼いゆっくりと人間さんがよく集まる公園に一人で行く。 おにーさんが買ってくれた『GPS付きゆっくり携帯電話』を持ってゆっくりお散歩。 公園には、ご近所のどちらも金バッチのれいむとまりさ。 二人の飼い主のおねーさんがいた。 「おねーさん達こんにちわ!」 「こんにちわ。てんこちゃん。今日もいい天気ね」 「あらてんこちゃん。こんにちわ」 「れいむ!まりさ!ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!!」 みんなと挨拶して、てんこのお気に入りのブランコにのる。 力いっぱい漕ぐとまるでお空を飛んでるみたい! おにーさんのお膝の上に乗っかって漕いでもらった時よりは高く行かないけど、やっぱりブランコは気持ちいいわ! おにーさんには止められてるけど、今日は立ち乗りをしてみようかな? とりあえず一回ブランコを止めて――― 「おそらをとんでるみたいいいいいぃぃぃ『グチョッ』ゆべっ!!」 公園に響いたれいむの声。 直後に聞えた嫌な音。 見てしまった。 れいむを抱えていたおねーさんが、とてもゆっくりしていない速さでれいむを地面に叩きつけるのを。 れいむは顔から地面にたたき付けられて、地面に餡子を飛び散らせた。 周りに白い歯やキラキラ光るおめめが転がってる。 「ゆ?」 近くにいたまりさは何が起きたか判らないといった表情でれいむの死骸を見つめてる。 「ゆ?れいむ?おねーさんれいむ『グシャッ』ゆげっ!!」 飼い主のおねーさんに目を向けたまりさを、そのおねーさんの足が踏み潰した。 帽子はひっしゃげ、まりさの体が破け、裂け目からは餡子が噴出し、おめめも片方が吹き飛んだ。 「お”お”ね”ざ『ザリュ』ゆぎびいぃっ!!」 かろうじて生きていたまりさの体を、おねーさんがさらに踏みにじる事によって止めを刺した。 おねーさんたちは足に付いた餡子を振り払うと 「今日の夕食は息子の好きなハンバーグにしようかしら?」 「だったら今月のお料理本にいいのが載ってましたよ?」 と、ご飯さんのお話をしながら笑顔で歩いていった。 私はブランコから降りた。 何もいえなかった。 目の前で起きたことが信じられなかった。 でも、何よりもわからなかったのが、あの優しいおねーさんたちが、飼いゆっくりを殺したということだ。 しかもその後は笑顔でお話しながらどこかに歩いていってしまった。 アリンコさんたちがまりさとれいむの死体に群がり始めた。 転がったれいむのおめめが私を恨めしそうに見ていr 「ゆ、ゆぐぐぐ、ゆえええええぇぇぇ!!」 私は吐いた。 気持ち悪い。 「~~~~~!!」 餡子を吐くのはゆっくりできない。 でも、吐かないとどうにかしてしまいそう。 お腹が痛い。 頭が痛い。 恐い。 助けて。 おにーさん―――! 「や、やべでえええええええええぇぇぇぇぇ!!ありすのおぢびぢゃんをごろざないでえええええええぇぇぇぇ!!」 突然響いた新しい悲鳴。 この声はあのありす。 顔を上げるとありすが見たことも無いくらい酷い顔をして泣き叫んでいる。 確かありすは優しいおにーさんの飼いゆっくりだった。 そんなありすが必死に叫んでいる相手……それこそ、そのおにーさんだった。 そしておにーさんの足の下には……砕けた赤いカチューシャと黄色いカスタードの溜りがあった。 「おちびちゃんんんんんんん!!しんじゃいやああああああああぁぁぁぁ!!ぺーろ!!ぺー……びぎゅっ!!」 おにーさんの足がありすの舌を踏み潰す。 痛みのあまり跳ね上がったありすの体が、地面に押さえつけられた舌と離れ離れになる。 「はひひゅひょひょひゃいひゃひゃはひははぁぁぁぁぁ!!ひびゅぎゅっ!!」 そのありす自身もおにーさんの大きな足に踏み潰されて動かなくなった。 「ん?」 「ひっ!!」 そして、ありすを踏み潰したおにーさんと目が合う。 いつものおにーさんと変わらない優しそうなお顔。 でもおにーさんがカスタードだらけの足を踏み出した瞬間、私は恐怖で逃げ出した。 「お、お家帰る!おにーさんのお家帰るうううううぅぅぅ!!」 必死で公園から逃げ出す。 おにーさんが追ってくる気配はない。 帰りたい! 帰りたい! 帰りたい! 帰りたい! 帰っておにーさんに話そう。 今日起こったことを全部話そう。 それでどうなるか分らないけどおにーさんに全部話そう! ゆっくり殺しはゆっくりできない。 でも、人間さんはゆっくりよりずっと強い。 だからもう、町に野良のゆっくりなんて居ないし、野生のゆっくりだってもうほとんどいない。 だからどうにもならないかもしれない。 というかおにーさんにお話してどうするつもりなんだろう? 「おにーさん!おにーさん!おにー『ズルッ』ゆうぅ!?」 何かに滑って転んだ。 「い、痛いよぉおにーさ……ゆあああああぁぁぁ!?」 寝転んだ状態で目を開けると、目の前にはゆっくりちぇんの死体が転がっていた。 バッチ付き。 しかも金。 手にぬるっとした感触。 「……!?ひっ!!」 手のある場所にはちぇんの体の一部が落ちていた。 慌てて服で擦り落とす。 そして体を起こして周りを見る。 「ゲラアアアアアアアァァァァァ!!」 道を横断しようとしていた胴付きうどんげが車に跳ねられて体がばらばらになった。 「うー……おに、さ……」 胴付きふらんが飼い主さんのおにーさんによって顔を潰されている。 「ぼ、や……べ……で……くださ……ぶぎゅっ!ぎゃびっ!!」 向こうの空き地ではプラチナバッチ付きのさなえがおじさんによって杖で叩かれている。 あちこちでゆっくりが死んでいる。 違う。 殺されている。 飼い主さんに。 優しかったおにーさんに。おねーさんに。おじさんに。おばさんに。 ―――おにーさんもてんこを殺すの? 「ゆあっ……ゆあっ……ゆあああああぁぁぁ!!」 立ち上がって走る。 でも、お家とは反対側。 恐かった。 おにーさんに殺されることじゃない。 おにーさんに殺されるという『想像』をした自分が。 「ごべんなざいいいいいいいぃぃぃぃ!!おにーざん!ごべんなざいいいいいいいぃぃぃぃ!!」 わけもわからず走った。 その間にも回りでゆっくりが殺されて行く。 「ゆぎぃ!!」 「やべでええええぇぇぇ!」 「おにーさんやべでえええええええ!!」 「やめちぇぇぇぇ!!」 「ちにちゃくにゃいいいいぃぃぃ!!」 そして、てんこの足がピタリと止まる。 そこはてんこが売られていたペットショップの前だ。 「―――」 耳をつんざくような悲鳴。 黒や白や黄色に染まるショーウィンドウ。 時折聞える人間さんのゆっくりとした声。 そして、窓には―――同じ胴付きてんこの首と胴が切り離された死体。 「おにーさんもてんこを殺すよ?」 てんこは薄暗い下水道の中で震えていた。 耳を塞ぎ、目を閉じ、震える体を必死にちぢこませる。 悲鳴が耳から離れない。 飛び散る餡子の映像が消えてくれない。 あの時の胴付きてんこの言葉が頭の中で聞える。 「ゆえええええぇぇぇ……えええええぇぇぇ……」 ただ泣くしかできない。 恐くて。 痛くて。 寂しくて。 苦しくて。 何がなんだか分らなくて。 てんこは体がふやけてしまうのではないかと思えるくらい泣き続けた。 「ゆえええええぇぇぇ……おにーさん……あいたいよぉぉぉ……おにーさん『ユ”……』ゆひっ!?」 暗い下水道に重く響いた何かの声。 てんこは真っ赤になった瞳を声をした暗闇の方に向ける。 ズルッ、ズルッ、ズルッ 「ゆぅっ!?だ、誰なの……?」 「ユッグリィィィ」 暗闇の中から姿を現したもの……それは、ゆっくり……とは思えないほどゆっくりしていない『ゆっくり』だった。 黒いお帽子からしてまりさ種とわかるが、その帽子はボロボロで帽子の淵の部分しか既にない。 そして髪の毛も生えておらず、表面は病的に真っ白。 片目は膿んでおり、もう片方も白く濁っている。 元々大きい口は、片方がさらに裂けており、黒い餡が付着している。 それは……町で暮らしていた野良ゆっくりのなれはて。 地上という住処を追われ、暗い地下へと逃げ延びたゆっくりの姿だった。 「ひっ!!」 「ユッグッ!ユッグギイイイイイィィィ……」 まりさがその裂けた口をにんまりと歪める。 すると口の下にあるぺにぺにがググッと盛り上がってきた。 てんこはその醜い姿に恐怖し腰を抜かし、ただただ顔を横に振るのみである。 「ゆあぁぁぁ……やあああああぁぁぁ……やめてっ……こないでよぉ……」 突き出されたまりさの舌がてんこの足にまとわり付く。 その舌もズタボロで、ところどころ醜い腫れ物ができている。 「いやっ!離して……っ!ゆあっ!!やめてぇぇぇ……」 まりさの舌がてんこのスカートの中に侵入する。 舌がてんこの太ももを這い、ゆっくりとその中心へと進んで行く。 「やだやだぁああああ!!たすけてっ!たすけておにーさんんんんん!!」 ザクッ 「ユゲッエエエエエ」 「ゆ?」 まりさの舌がわずかに痙攣し、短い叫びと共に地面に力なく崩れ落ちる。 まりさの後ろ。 そこには箒をまりさの頭に突き刺す黒帽子に金髪の少女が。 「もう大丈夫なんだぜ!しっかりするんだぜ!!」 「ゆふーあぶないところだったよっ!!」 それは胴付きまりさと銀バッチをつけたれいむだった。 久しぶりの、まともなゆっくりとの再開。 てんこは先ず泣いた。 まりさは困っていたが、れいむも察してくれたようでしばらくそのままで居させてくれた。 やっと落ち着いたてんこはまりさとれいむから事情を聞く。 二人はれいむの金バッチ試験のためにおにーさんと試験会場に向かっていた。 会場の待合室で待っている時、おにーさんがトイレに行っている間に『いっへんっ!』(れいむが命名)に巻き込まれたのだ。 会場にいた飼い主さんたちがいきなり飼いゆっくりを殺し始めたのだ。 れいむはこれを『いっへんっ!』と判断し、おにーさんに合流しようとするまりさにタンマをかけた。 物陰から様子を見ると、周りで起こっている異常な事態に何の反応も示さないお兄さんがそこにはいた。 やがてすべてのゆっくりが殺されてしまうと、会場から人間さんたちは出て行ってしまった。 後には自分たちと物言わぬ骸と化したゆっくり達だけが残った。 その後、人間に見つからないようにこの下水道に逃げ込んだところ、先の事態に遭遇したというわけである。 「ゆぅぅ……いっへんっ!だったのね……」 「そうらしいんだぜ……」 「いっへんっ!なられいむたちのとくいぶんやだよっ!……でも……なんのじょうほうもないと……」 「情報……そ、そうだわ……!」 てんこは持ち歩いていた『GPS付きゆっくり携帯』を取り出す。 これはGPSのほかにもラジオやTVも見れる優れものだ。 「すごいんだぜ!まりさ達のおにーさんは買えなかったんだぜ!」 「おかねさんがすくなかったんだよっ!てんこのおにーさんはすごいねっ!」 優しいおにーさんの笑顔を思い出してわずかに笑みを見せるてんこ。 とりあえずラジオやTVを片っ端から見たり聞いたりしてみる。 暗い地下下水道でも幸い電波は入った。 ―――何気ないものだった。 流れるニュースや番組は普通のものばかり。 ゆっくりのことに関する事は一切流れない。 いや、この事態もおかしい。 いままではゆっくり向けの番組や放送があったのに、それが一切なくなってしまったのだ。 ゆっくりの『ゆ』の字さえ出てこない。 あれだけのゆっくりが大量に死んだ……殺されたのに……。 「……おかしいよぉ……なんで……こんなことに?」 「……」 「ゆぅ……」 三人の顔色は暗く沈んで行く。 「あんなにたくさんのゆっくりが殺されたよ?街の中でたくさん。たくさん……。なのにどうして?どうして、人間さんは何も言わないの?」 「ゆぅ……ゆっくりごろしをゆっくりできないとおもってるにんげんさんは『めでは』のひとがおおいけど……これは……」 愛で派。 昔では愛で派とか虐待派とか分かれていたらしいが、今ではそういう分裂もなく、ゆっくりは普通に受け入れられている。 基本ゆっくりは人間のペットとして認識されている。 人間はペットや動物を可愛がる。 それは特に愛でとかにこだわる人間でなくてもだ。 「そういう……ことなのかだぜ……」 「ゆん……そういう『いっへんっ!』なんだね…… 二人には判った様だ。 「ゆ?ゆ?どういうこと?てんこにもわかるように……」 「ゴキブリさんや毛虫さんを殺すのに理由が必要なのかだぜ?」 今、なんて? ゴキブリ? 毛虫? 「人間さんは自分にとって気持ち悪いもの。邪魔なもの。どうでもいいものは捨てたり、殺したりしてもなんとも思わないのぜ」 「何、言ってるのまりさ?ゆっくりはゆっくりだよ?虫さんじゃないよ?」 「わからないのかだぜ?もう同じものなのだぜ」 「てんこ……れいむたちは……ゆっくりぜんぶは、もう、にんげんさんにとって『どうでもいいもの』になっちゃったんだよ。これはそういう『いっへんっ!』なんだよ」 そんなの―――嘘だ。 「嘘よ……嘘よ……!だっててんこたちは生きてるし……」 「それをいうならゴキブリさんや毛虫さんだって生きてるのぜ?」 「人間さんと同じで話せるし……」 「ただの『鳴き声』と思われたらそれまでなのぜ。そういたら猫さんや犬さんとかわらないのぜ」 「でも、でもっ、でもっ!!」 「ゴミに感情を持つ人間さんはいないのぜ」 ゴミ。 ゆっくりはゴミと一緒。 異変。 そういう異変。 ああ、もしかしたら先程のてんこを襲ったまりさも、ずっと前にそんな異変に巻き込まれたのかもしれない――― いやだ 絶対にいやだ てんこはああなりたくない 大好きなおにーさんとずっとゆっくりするんだ おにーさんも言ってくれたじゃないか てんことずっと一緒にゆっくりするって おにーさん 大好きなおにーさん てんこは――― 「ゆん。おなかすいたね……。よるさんになったら、にんげんさんにみつからないようにかりにいこうね」 「狩り……まさかゴミ漁りをする日が来るなんて夢にも思わなかったのぜ……」 てんこは――― 「てんこは……おにーさんのお家に帰るよ」 「ゆあっ!?」 「ゆゆっ!?」 てんこの言葉に二人は驚く。 「馬鹿なこと考えるんじゃないのぜ!そんなことしても後悔するだけなのぜっ!」 「大丈夫だよ……てんこのおにーさんはてんこのことが大好きだから大丈夫だよ……」 どことなく危うい感じのてんこ。 「だめだよっ!おにーさんもにんげんさんだよっ!てんこ、ころされちゃうよっ!」 「大丈夫だよっ。おにーさんは特別だもん!ずっと一緒にゆっくりしようっててんこに言ってくれたもん!」 「そんなものもうないのぜっ!!」 「おにーさんは約束を破らないもん!!てんこと一緒にゆっくりしてくれるもん!!」 「裏切られるのぜっっっ!!」 「それでも……それでもっ……おにーさんを信じたいの!!!」 「―――行くんだぜ」 まりさは静かに出口の方を指差す。 「ありがとう。ありがとうまりさ……れいむ……」 「てんこ……れいむ、てんこのことわすれないよ……」 「うん。まりさ……ごめんね。でも、どうしても行かないと……」 「しょうがないのぜ……。……本当はまりさだって……帰りたい……のぜ……」 「ゆぅ……」 「さようなら……二人とも……」 てんこは走った。 夜の道を、人間に見つからないように隠れながら走った。 そして、おにーさんの家にたどり着く。 玄関の鍵を持っている合鍵で開ける。 「ただいまおにーさん」 小声で帰宅を告げる。 トントントンと、台所から音がする。 それといい臭いが。 これはてんこの大好きな桃のシチューの匂いだ。 ゆっくりと台所の様子を伺う。 机の上にはご飯さんの食器。 そしていつもと同じエプロンをつけたおにーさんが、いつもと同じように台所に立っている。 「おにーさん……。ゆっくりしていってね……?」 てんこの声におにーさんが振り向く。 そこにはいつもと同じ優しいおにーさんの笑顔が! 「おにーさん……!!」 てんこはおにーさんの元に駆け出す。 「おにーさん!おにーさん!!おにーさん!!!」 いつものお兄さんだ。 優しくて。 かっこよくて。 てんこの大好きなおにーさんだ! 「おにーさん!!ゆっくりしていってね!!」 てんこの頭上に おにーさんの持っていた 包丁が振り下ろされた ガッ ザシュ ゆぎっ ガッ ガッ ゴトン いぎっ ゆぎぃ ゆ”っ…… 黒く染まった包丁が水道ですすがれて、こびりついた餡子が流されていく。 床に転がる二つの物体。 力なく投げ出された小さな体。 驚いた表情と、涙を流したあとが残る○○○の頭。 再び響きだす包丁とまな板がぶつかる音。 机の上には一人分の食器が並べられていた。 学生の頃読んだ漫画より。 ご存知の方はいるのでしょうか? うー……書いてて自分がゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 433 ゆっくり親子 とクズ人間 ~Another~ ふたば系ゆっくりいじめ 496 あるドスのゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 530 絶対的虐待意思 ふたば系ゆっくりいじめ 650 絶対的虐待意思 0 ふたば系ゆっくりいじめ 684 ドス以外いらん ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後 ふたば系ゆっくりいじめ 745 絶対的虐待意思 ~せめてゆっくりらしく~ ふたば系ゆっくりいじめ 815 おかねさんとゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 901 原材料 ふたば系ゆっくりいじめ 935 底辺ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 1314 どぼじでごんな”ごどずるの”おおおぉぉ ふたば系ゆっくりいじめ 1325 価値観の違い このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 絶対あき感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1345 崩壊はある日突然に』 トップページに戻る